「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事はWWDJAPAN 2023年5月29日号からの抜粋です)
齋藤薫/美容ジャーナリスト
齋藤薫(さいとう・かおる):女性誌編集者を経て独立。女性誌を中心に多数のエッセー連載を持つほか、美容記事の企画や化粧品の開発、アドバイザーなど広く活躍する
数年前からうわさになっていた“美容機器の未来形”が、ついにベールを脱ぐ。ひと言で言うなら、AI美容機器……従来のハンディーギアの概念を覆す、驚くべき先端テクノロジーを搭載した機器が登場するのだ。
とは言え、最近は何でもAI。ここ数年、美容界でもAIの文字を見ることが多くなった。ただ、一口にAIといっても幅広く、これまでは主にアプリを活用したパーソナル診断などの機能にとどまっていた。スマホで肌を撮影して、その日の肌に合った商品を紹介したり、専用の機器でその日のスキンケアを調合してくれるシステムまであったりするし、骨格診断や顔バランス分析、ダイエット方法などユニークな診断サービスも多々。店頭ではすでに、カメラで写した顔をAI分析し、その場でメイクや髪型を画面上でチェンジして体験することができるAR(拡張現実)が展開されてきたが、このサービスがスマホレベルでもできてしまうのは、もう時間の問題だろう。ただAI美容は結局診断止まり?という懸念もなくはなかった。
でも今回のAI美容機器、これまでとは意味合いが全く違う。診断ではなく、効果に直接AIが働くのだ。だからまずは商品名から異彩を放つ。その名も「HAKEI(ハケイ)」、つまり波形。超音波や電磁波、電圧波などさまざまな「波動」の伝わり方を表し、横軸が時間的な変化を、縦軸が量や大きさを表すわけだが、美容機器の生命線もこの波形。この「HAKEI」は、いわば独自のアルゴリズムで化粧品一品一品とシンクロする浸透波形を即座に生み出し、その化粧品の働きを限界まで高め、潜在能力を引き出す未知なる機器なのだ。
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