Z世代にはSDGs(持続可能な開発目標)のムーブメントをけん引する役割として期待が寄せられている。一般的にはその意識が高いとされるZ世代だが、果たして実情はどうなのか、そして企業に何を求めていて、接点はどこにあるのか。そこでアラウンド20(15~24歳)に特化した若者マーケティングコンサル事業を手掛け、2020年から「Z世代のSDGsと消費に関する意識調査」を実施する「SHIBUYA109lab.(シブヤ109 ラボ)」の長田麻衣所長に彼らの思考を聞いた。見えてきたのは、世の中にあふれる情報の信憑性を見極め取捨選択する独自の感性、そしてSNSでつながるコミュニケーションが当たり前の世代ならではのサステナビリティとの向き合い方だった。(この特集は「WWDBEAUTY」2023年5月29日号からの抜粋です)
WWDBEAUTY(以下、WWD):2020年から「Z世代のSDGsと消費に関する意識調査」を実施する経緯・狙いとは。
長田麻衣シブヤ109 ラボ所長(以下、長田):さまざまな企業とやりとりする中で、SDGsというキーワードが増えたこと、シブヤ109としてもSDGsの活動方針を決めるタイミングだったこともあり、一度実態を調査しようというのがきっかけだ。
WWD:SDGsに対する注目度や関心度は予想と比べてどうだったか。
長田:調査では約6割が「関心がある」と答えている。会話の中でも、地球環境に配慮した商品やジェンダーの話はよく出てくるので、その数字は想定内の結果だ。一方で、インタビューを重ねていくと「関心はあるけれど、実際の行動には移せていない」と考えており、意識と自分の行動にギャップを感じていることも分かった。
WWD:20年と22年の調査に差異はあったか。
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