百貨店主要5社の2023年5月度売上高は、おしなべて前年並み〜1割程度の増収だった。行動制限のない大型連休に加え、5月8日から新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことで、来客に一定程度のプラス効果が出た。ラグジュアリーブランドや宝飾・時計など高額品の好調は継続する一方、外出機運の高まりが衣料品や化粧品の売り上げを押し上げている。
各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が19.1%増(19年同月比16%増)、高島屋が8.3%増(同微減)、大丸松坂屋百貨店が11.5%増(同1.3%減)、そごう・西武が1.5%増(同3.0%減)、阪急阪神百貨店が14.6%増(同10%増)だった。
三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店は、衣料品の好調が際立つ。婦人服の売上高は19年同月比33.9%増と大きく伸長した。中国人観光客の購買に支えられていた化粧品は同16.2%減にとどまるものの、「ベースメイクや口紅が好調」(同社)。阪急阪神百貨店の阪急本店も、化粧品が約3割増と高伸した。「マスクを外す場面の増加も背景に、リップや基礎化粧品、ファンデーションなどの動きがいい。耳周りのアクセサリーのニーズも高まっている」(同社)という。