「WWDJAPAN」6月26日号の付録「WWDBEAUTY」とニュースサイト「WWDJAPAN.com」では、「2023年上半期ベストコスメ」を発表している。2023年上半期は、百貨店やバラエティーショップ・ドラッグストア、ECポータルサイト39店舗の協力を得て1〜4月に売れた商品をリサーチし、新商品(ニュープロダクト)と総合(ヒーロープロダクト※新商品も含む)を表彰。13カテゴリーのトップ3が出そろった。
マスク自由化でリップに脚光
百貨店チャネルで今期の注目は、3月からマスク着脱が個人の判断になり、コロナ禍で低調傾向にあったカラーリップが復調したこと。その中で存在感を放ったのはリップ部門の新商品、総合とも1位を獲得した「ディオール(DIOR)」の“アディクト リップ マキシマイザー”だ。リニューアルによって24色とカラーレンジが大幅にアップ。ぷっくりとした唇を演出できる処方を強化したほか、90%の自然由来成分にするなど機能も向上。欠品するカラーが続出するほど人気を集めた。2、3位はケア効果のある商品がランクインし、マスクで荒れがちな唇ケアを重視する傾向が反映された順位だった。
スキンケアはロングセラーが根強い人気
肌の土台を整えるとしてスキンケアを重視する傾向は続き、化粧水部門や美容液部門では季節的に肌の透明感を生む美白有効成分やビタミンCなどを配合したアイテムが上位を占めた。印象的だったのは化粧水部門。新商品の1位は1897年に誕生した「シセイドウ(SHISEIDO)」“オイデルミン エッセンスローション”。リニューアルした8代目は、バルク(中身)を充填しながら容器を作るというサステナブルで高い技術を採用したもの。もちろんバルクも自己回復力をサポートする成分がふんだんに配合されている。総合の1位は22年の上半期、下半期ともに同部門の3位から躍進した「SK-Ⅱ」の“フェイシャル トリートメント エッセンス”が獲得した。肌測定器「マジックスキャン」を活用したポップアップの実施や、限定キットの販売などがロングセラー商品の売り上げ拡大に寄与したという。インバウンド客も徐々に戻ってきており、外国人からの支持も高いブランドなだけに今後も期待できそうだ。
メンズコスメはブランド数拡大で混戦
メンズコスメ部門は、ここ数シーズン「シセイドウメン(SHISEIDO MEN)」が存在感を放っていたが、男性のスキンケア、メイク需要の高まりを受けて取り扱いブランドが増え、ランキングも混戦模様だった。新商品の1位は「スリー(THREE)」“バランシングステム ローション”。シェアコスメとしてパートナーと使用しているケースも少なくないという。2位は「クラランス(CLARINS)」のフォーミングジェルと「クワトロボタニコ(QUATTRO BOTANICO)」の美容液。「クワトロボタニコ」は男性向けとしては珍しいコウジ酸が配合され、男性の肌ケアが本格的になってきた感がある。総合1位は根強い人気を保つ「シセイドウメン」の“フェイス クレンザー”だったが、2、3位は「スリー」のトライアルキットやローションがランクインした。特に「シセイドウメン」は2〜3月にかけてフレッシャーズが身だしなみを整えるとして購入したケースが目立ったそうで、若い層を中心に肌ケアは必須となっている。メンズコスメに注力するブランドは今後も増えそうだ。