「WWDJAPAN」6月26日号の付録「WWDBEAUTY」とニュースサイト「WWDJAPAN.com」では、「2023年上半期ベストコスメ」を発表している。2023年上半期は、百貨店やバラエティーショップ・ドラッグストア、ECポータルサイト39店舗の協力を得て1〜4月に売れた商品をリサーチし、新商品(ニュープロダクト)と総合(ヒーロープロダクト※新商品も含む)を表彰。13カテゴリーのトップ3が出そろった。
一昨年からECも調査対象に 今期の特徴は?
「WWDBEAUTY」ではこれまで、百貨店やバラエティー・ドラッグストアを主として調査してきたが、オンラインショッピングの需要が高まる中、21年下半期からECポータルサイトも調査の対象に加わった。今期は「アットコスメ(@COSME)」「アマゾン(AMAZON) 」「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」「デパコ(DEPACO)」「ノイン(NOIN)」「Yahoo!ショッピング」「リップス(LIPS)」の協力のもとECチャネルの売り上げランキングを発表した。そんなECでの売れ筋の傾向は、ベストセラー商品であれば高価格でも売れること、そして卸先の少ないネクストバズコスメの動向が見られることだ。
手堅いベストセラーコスメたち
「ケイト」“リップモンスター”(全14色うち7色限定発売、各1540円※編集部調べ)
「ディオール」ブランドのアイコン商品であるリッププランパー“ディオール アディクト リップ マキシマイザー”(全24色、うち1色は数量限定色、各4620円)
「イプサ」“ザ・タイムR アクア”【医薬部外品】(200mL、4400円)
「クレ・ド・ポー ボーテ」“ヴォワールコレクチュール n”[SPF25・PA++](40g、7150円)
「ファンケル」“マイルドクレンジングオイル”(120mL、1870円)
ECリップ部門の首位は、バラエティーショップ・ドラッグストアのリップ部門で新商品、総合ともに1位を獲得した「ケイト」“リップモンスター”で、ECチャネルでも大きく売り上げを伸ばした。ほかにも、百貨店リップ部門で同じく首位を独占した「ディオール(DIOR)」の“アディクト リップ マキシマイザー”のほか、常連の「イプサ(IPSA)」“ザ・タイムR アクア”、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」“ヴォワールコレクチュール n”、「ファンケル(FANCL)」“マイルドクレンジングオイル”などベストセラーアイテムが続々とランクイン。既に人気が定着している商品は、価格に関わらずオンラインでもためらいなく購入する消費者の心理がうかがえる。
“ムラシャン”や「魔女工場」など新たな顔ぶれも登場
「フィヨーレ」“クオルシア カラーシャンプー パープル”(250mL、1870円)
「魔女工場」“ガラクナイアシン2.0エッセンス”(50mL、3190円※編集部調べ)
これまで「WWDBEAUTYベストコスメ」にランクインしていなかった新たな顔ぶれも見られた。「フィヨーレ(FIOLE)」の“クオルシア カラーシャンプー パープル”はその代表例だ。5〜69歳の約6割がヘアサロンでヘアカラーをしている(全国理美容製造者協会調べ)ことから、「カラーの退色を防ぎ、ハイライトの黄ばみ防止として使う人が多い」(バイヤー)と受賞したのも納得だ。また、韓国発のスキンケアブランド「魔女工場」が初めてランクイン。“ガラクナイアシン2.0エッセンス”がECの美容液部門総合3位に入賞した。バイヤーは「その効果に対するコスパの良さで話題」「ナイアシンアミドが引き続き人気成分で、かつ美白というワードでバズった」などと話題性の高さを言及する。
惜しくもランク外の韓国コスメ動向
「フィリミリ」の“アイメイク ブラシセット”(2090円)。5本セットでミラーケース付き
「フィリミリ」“デュアルメイクアップスパチュラ”(1760円)。幅広のベースサイドで頬など平らな広い部位に、細いナローチップで鼻の甲や額などの曲面にベースメイクを塗れる
ソウル発のメイクブランド「マージー」
「マージー」“ヘリテージ ブラッシャー”(1100円)
「マージー」“ヘリテージ ブラッシャー”(1100円)
「ディーレイ」”D-クリアファンデーション“(全4色、2200円)
惜しくもトップ3には入らなかったが、勢いを増す韓国コスメを紹介する。韓国のドラッグストア、オリーブヤング(OLIVE YOUNG)のプライベートブランド「フィリミリ(FILLIMILLI)」が要注目。アイメイクのベースからポイントまで使えるブラシを5種類セットにした“アイメイクブラシセット”やファンデーションを均一に伸ばせる“デュアルメイクアップスパチュラ”などのメイクアップツールが好調だ。ソウル発のメイクブランド「マージー(MERZY)」のチーク“ヘリテージブラッシャー”はマスク移りが少ないと人気だった。バイヤーは「特に肌なじみの良いテラコッタカラーが好評」とコメントする。オンライン限定で販売する「ディーレイ(D-RAY)」の“D-クリアファンデーション”も、マスクなどの摩擦でも崩れづらい超微粒子処方がヒットの要因に。今後のECチャネルの動向も見逃せない。