情報筋によると、「クロエ(CHLOE)」のガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)=クリエイティブ・ディレクターが退任するようだ。退任は自身のブランドやその他のプロジェクトに専念するためであり、双方の合意に基づく友好的なものだという。ハースト=クリエイティブ・ディレクターによるコレクションは、9月開催のパリ・ファッション・ウイークで発表する2024年春夏コレクションが最後になるようだ。なお、米「WWD」は「クロエ」からコメントを得ることはできなかったという。
ハースト=クリエイティブ・ディレクターはウルグアイ生まれで、ファッションデザインは独学で身につけた。父が経営する牧場の経営を引き継いだ後、ニューヨークを拠点に自身のブランド「ガブリエラ ハースト」を設立し、15-16年秋冬シーズンにデビュー。同牧場で生産するメリノウールをはじめとする上質な素材を用いて、タイムレス、クオリティー、サステナビリティの原則に基づいたラグジュアリーなウエアやバッグなどのアクセサリーを提案している。20年に「CFDAアワード(CFDA Awards)」のウィメンズウエア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー、「ザ ファッション アワード(The Fashion Awards)」環境賞を受賞。同年12月に「クロエ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。21年には、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に参加して講演するなど、サステナビリティの推進に熱心なことでも知られている。
今年2月にリカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)=クロエ最高経営責任者とともに受けたインタビューでは、ハースト=クリエイティブ・ディレクターの就任以降の2年間で、同ブランドの売り上げがおよそ60%増となったことを明らかにしている。