世界のファッションショー会場では、日本のメディアによる写真や動画での「セレブをキャッチ」する動きが昨今加熱している。これまでもアーティストや俳優らはゲストとして来場していたものの、BLACKPINKやBTSといったK-POP勢を筆頭に、撮影合戦がエスカレート。しかしSNSでの拡散力がある一方で、クリエイションよりもゲストが先行して見えるという懸念もあり、賛否両論だ。実際に取材する担当者や読者、業界人の声から、このトレンドの向かう先を考える。
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現場記者とSNS担当
それぞれの葛藤
大塚千践(以下、大塚):最近はショー会場でセレブリティーを入り待ち・出待ちして、パパラッチする機会が激増しました。特にSNSでの反響が高いので頑張って追いかけるのですが、そこに労力を割く分、できなくなることもあります。例えば個人的には、ショー会場に到着して着席した後は、スマートフォンで前のショーの原稿を書くことが多かったので、その時間をセレブの入り待ちに使うと、作業が徐々に後ろにずれていきます。これが続くとジャブのように体力に響いてくるんですよ。
浅野ひかる(以下、浅野):ただ、セレブリティーが登場することでSNSでのインパクトはありますよね。拡散されるし、フォロワー数も増えるので、媒体にとってプラスの面はあります。
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