「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、長らく控えめな存在だったSNS、ピンタレスト(Pinterest)のお話。
ソーシャルエディター津田:村上さんは、毎日のコーディネートにマンネリを感じたり、部屋の模様替えを思い立ったりしたとき、新たなインスピレーションをどのように得ていますか?雑誌やテレビという人もいるでしょうが、ここ数年は、SNSがその役割を果たしていると思います。そして目的がインスピレーション源のときに威力を発揮するのが、インターネット上にある画像や動画を集めてコレクションしたり、シェアしたりできるピンタレストです。日本では2020年12月時点で月間約870万人が利用しているというデータがありますが、現在は認知度もユーザーも増えているように感じます。実際に私の周りでもユーザーが増えているし、ファッションブランドのコレクションルックは1画面で複数の画像を閲覧できるピンタレストが1番見やすいと思っています。
投稿のメーンが画像や動画という点はインスタグラムと同じですが、大きく異なるのは、ピンタレストが未来にフォーカスしたSNSであるということ。インスタグラムは「~に行ってきた」「~をした」など過去にフォーカスする事が多いですが、ピンタレストのユーザーは今後の計画を立てたり、行動したりのきっかけを探している人が多いのでしょう。そしてピンタレスト内の検索上位の97%は、ブランド名を指定しない検索キーワード。ユーザーは具体的な目的こそあれど、どのブランド選ぶか決めていない状況なのが予想されます。企業側からすると、ユーザーに知ってもらう絶好の機会です。更にインスタグラムにはできない、それぞれの投稿へのリンク付けができるので、動線がスムーズです。購入を検討しているユーザーに適切にアプローチできれば、ブランドにとって大きなハブになるのではないでしょうか?これまでは、個人がインスピレーションを得るためのツールという印象が強かったですが、広報や販促の手段としての可能性が広がりそうです。
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