ファッション

「マックスマーラ」が白夜の北欧でリゾートを発表 野の花のドレスで夏至祭を祝う

マックスマーラ(MAX MARA)」は11日、2024年リゾート・コレクションをスウェーデンの首都ストックホルムで発表した。一昨年は南イタリア、昨年はポルトガル・リスボンと南のリゾート地を発表場所に選んだが、今回は白夜の北欧へ。街中は夏の訪れを祝う夏至祭の日を前に至るところ花で彩られ、遅い時間まで地元や旅行客でにぎわっている。ショー会場は、ノーベル賞の晩餐会が開かれことでも知られるストックホルム市庁舎の青の間。世界各国からジャーナリストやセレブリティが集まり、ショーを見守った。

ストックホルムを開催場所に選んだ理由について、イアン・グリフィス(Ian Griffiths)=クリエイティブ・ディレクターは、「北欧デザインの民主的なアプローチは、『マックスマーラ』のアクセシビリティの高さに通じるものがある。それにストックホルムでは大きなファッションイベントが開催されたことがない。誰もが知っている場所に、新しい光を当てることで、新たな次元、新たな視点を生みたかった」と話している。

インスピレーションのひとつは、スウェーデンの小説家、セルマ・ラーゲルレーヴの存在だ。セルマは女性で初めてノーベル文学賞を受賞した人物。女性の現代的な生活、地域の伝説、古典的な神話、おとぎ話のモチーフなどを練り上げた物語を紡いできた。また作家として女性の役割やセクシュアリティについて時代の先を行く考えを持ち、社会的な変化と進歩を唱えていたという。いわば、女性の活躍が目覚ましい今のスウェーデンのシンボルのような存在である。イアンがこの地をショーの舞台に選んだもうひとつの理由が、実はこの「女性をエンパワメント」というメッセージにある。「マックスマーラ」は創業以来、着ることで女性が自信を得られる日常の服を作り続けてきたからだ。コレクションではセルマのポートレートに見られるシンプルな白シャツと黒いネクタイ姿を現代のワードローブへと変換している。

“ティディベア”にタッセルという新しいアプローチ

実際、このショーではこれまでの「マックスマーラ」にはないいくつかの新しい一面が見られた。上質な素材を使ったタイムレスな服であることは変わりないが、北欧から着想を得たフォークロアの要素や7種の野の花が象徴する少女のような可憐な一面が加わりフレッシュな印象だ。象徴的なのが人気アイテム“ティディベア”のコートで、白い“ティディベア”に黒いタッセルを飾りフォークロアなスパイスを効かせた。

ローラも参加。ショーの前は北欧文化を知るツアーへ

スウェーデンでは毎年6月、夏の訪れを祝う夏至祭“ミッドサマー”が開かれ、町の至るところに花が咲き誇り華やぐ。中でも7種類の野の花は、そのすべてを見つけた人はそれを枕の下に入れて眠ると将来の恋人の夢を見られるなどロマンチックな言い伝えがある。ショーの前日、招待客たちは街へ出て、スカンジナビアの文化を知るツアーを楽しんだ。訪れたのは宮殿や美術館、アンティーク家具の倉庫などで、自分の目で建築や絵画、民族衣装などを見ることで、その後に見るショーの理解を深めた。

前日の夜は船をチャーターして離島へ。白夜の夜はいつまでも明るく、不思議な浮遊間の中で、パーティを楽しんだ。

MAX MARA x ファッションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。