リセール市場が急拡大している。専門紙「リサイクル通信」の調査によると、2025年の市場規模(自動車を除く)は10年前の2.5倍に相当する3兆5000億円に達する見通しだ。中でもファッション関連はリユース市場の4分の1以上を占め、伸び率でも全体をけん引する。(この特集は「WWDJAPAN」2023年6月12日号からの抜粋です)
ラグジュアリーブランドの旗艦店が軒を連ねる東京・銀座の中央通り。1月に開店した「コメヒョウ ギンザ」は、リセール業界の勢いを象徴したような店だ。名だたるブランドのバッグ、アパレル、宝飾品、時計が並び、内装も高級感があふれる。平均の商品単価は同社の店舗で最高の97万円になる。
コメ兵ホールディングス(HD)の石原卓児社長は、海外からも来店を見込める同店を戦略拠点と位置づける。「今のお客さまは一次流通も二次流通も隔てなく行き来しながら楽しむ。お手持ちの品を買取店に持ち込むことも選択肢として定着している。中央通りというショッピングの導線上に、高いレベルの店舗とサービスを提供し、当社のブランド価値を高めたい」と話す。
リセール事業は「買い取り」と「販売」の両輪で成立する。買い取りで良い品を集めなければ事業拡大はない。コメ兵は22年度から24年度までの3カ年で計100店舗の買取店の新規出店を進めている最中だ。そのかいもあって22年度の売上高は861億円と過去5年でほぼ2倍になった。
好業績は同社だけでない。ブランド買取店「なんぼや」などを運営するバリュエンスホールディングス(HD)もM&A効果もあって過去5年で売上高は2倍以上の750億円(23年8月期)の見通し。ゲオホールディングスのアパレルリセール「セカンドストリート」の国内店舗数は800店舗を突破した。
高級ブランドの中古品が高騰
リユース市場規模の推移と予測
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