中国は世界最大のEC(電子商取引)大国として知られる中国だが、リアル小売も衰退しているばかりではない。2010年代後半からデジタル化時代に合わせた、新たなトレンドや業態の発展が目立つ。ECに食い荒らされる存在からネットを補完する存在としてのリアル小売店という役割が強調されるようになってきた。中国現地を取材し、新たに始動した中国小売の最前線を追う。後編では新世代の「トレンドトイ」「リユースショップ」を取りあげる。世界最大のEC大国において、リアル店舗/小売はどのような生き残りの道を見いだそうとしているのか。我々にとって参照すべきヒントが詰まっている。(この記事は「WWDJAPAN」2023年6月12日号に加筆したものです)
*前編はこちらから
トレンドトイ
POP MART /ポップマート
設立:2010 創業者:王寧(ワン・ニン) 本拠地:北京 時価総額:約4300億円
概要:ブラインドボックス(中身がランダムの箱)でフィギュアを売るビジネスで急成長。2020年の上場(香港)直後には時価総額が1兆円を超えた。日本にも現地法人があり、原宿などに直営店舗も
KKVに並ぶプチプラ化粧品を眺めていて目についたのがハローキティやクロミなど、サンリオのIP(知財)を使ったキャラクター商品だ。サンリオは昨年7月、中国EC最大手アリババグループ傘下のIPライセンスプラットフォーム「アリフィッシュ」とマスターライセンス契約を交わした。アリババは中小零細のネットショップ、メーカーのビジネス支援ソリューションを武器に成長してきた企業だ。ネットショップのほかに広告や物流、事業者金融なども手がけるが、アリフィッシュは中小企業でもIP商品の開発を可能とすることを目的としている。早くもその効果が商品棚に反映されたということなのだろう。ており、サンリオの2023年3月期決算では中国市場の売上は前年比67.6%増の80億1700万円と急成長し、業績を牽引する存在となった。「(中国市場では)ヘルス&ビューティーカテゴリやアクセサリーカテゴリーを中心に各カテゴリーが好調に推移」しているという。
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