タフネスウオッチの先駆者「G-SHOCK」を自分好みにカスタマイズできるサービス“MY G-SHOCK”から、ファッションブランド「ノーマ ティーディー(NOMA t.d.)」とのコラボレーションモデル“DWE-5610NM”が登場する。発売は「G-SHOCK」のオフィシャルサイトで、8月9日から。「ノーマ ティーディー」は、これまでにヨウジヤマモトのコンセプチュアルプロジェクトの“ワイルドサイド ヨウジヤマモト(WILDSIDE YOHJI YAMAMOTO)”や「ニードルズ(NEEDLES)」「ノンネイティブ(NONNATIVE)」「ステューシー(STUSSY)」などといったファッションブランドとコラボレーションを発表してきたが、リストウオッチはブランドとしては初リリース。野口真彩子デザイナーと佐々木拓真デザイナーが大切にしているテキスタイルデザインが落とし込まれた“MY G-SHOCK”は、アート性の高い仕上がりとなっている。2人に今回のコラボレーションに込めた思いを語ってもらった。
「G-SHOCK」というイメージ
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── いつから「G-SHOCK」を知っていましたか?
野口真彩子デザイナー(以下、野口):中学生のころから知っていたよね?
佐々木拓真デザイナー(以下、佐々木):そうだね。僕たちの世代ですと、多分中学生ぐらいの時に雑誌とかでも見ていたので、わりと自然に知っていたような感じがしますね。それくらいあたりまえの存在といいますか。それと、初めて買う時計は「G-SHOCK」というイメージもありましたね。
── するとお2人とも「G-SHOCK」は所有されていましたか?
野口:持っていましたね。どのモデルかまでは覚えていないのですが、初めてアメリカに行った10代前半の時に、親にねだって買ってもらいました。それを気に入ってずっと着けていました。
佐々木:僕は高校時代に。学校だけじゃなくプライベートでも着けていました。そのモデルは、今回コラボレーションさせていただいたモデルより後に出たものだったと思います。そう考えると「G-SHOCK」は、頑丈ってだけでなくバリエーションが豊富なのも魅力ですよね。
── 今年で誕生40周年になるので、今ではさまざまなモデルがリリースされていますよね。そして着用されていたのは1987年にリリースされた“DW-5700C”ですね。
佐々木:そうそう。当時は、“MY G-SHOCK”のようにカスタムオーダーができなかったので、オリジナリティーを出すために文字盤のロゴだったりをピンで削って真っ黒にしたりと各々でカスタムして楽しんでいました(笑)。
バンダナに見立てたデザイン
── では今回のコラボレーションモデルについて聞かせてください。
佐々木:まず「G-SHOCK」はすでに完成されたプロダクトだと考えていまして、そういったアイテムに対して僕たちができるアプローチはなんだろうというところからスタートしました。そこで今回のモデルとなった“DW-5600”が、「G-SHOCK」のシグネチャー的なモデルでしたので、「ノーマ ティーディー」もシグネチャー的なモチーフを使おうというので、さまざまなアイテムやコラボでも使っているテキスタイルを落とし込ませていただきました。ただ、腕時計だとテキスタイルを載せることができる場所が限られてくるので、その点は洋服とは違った考え方でデザインを進めていきましたね。
野口:このテキスタイルは、コロナ禍の2021年に作ったテキスタイルで、“Draw Your Garden”というタイトルになります。生み出したきっかけは、バンダナ柄を作りたいと考えたところからスタートしていて。そこで皆さんが思うバンダナ柄と違うものはなんだろうかと考えていたのが、コロナのパンデミックのころでした。当時は考える時間がたくさんあったので、毎朝5時くらいに起きて散歩しながら考えるというのを日課にしていたのですが、その中で心に響いたのが、道端や学校にある花壇に咲いている“花”でした。そして私たちは作るものには“情緒”を入れたいと考えていて、その“情緒”と“花”を、庭を作ろうという意味も込めてドローイングで表現したのが、このバンダナ柄です。この柄は周りの反応もよかったので、シーズンで色や形、テクニックを変えたりしながら使い続けています。
── “Draw Your Garden”を使ったコラボレーションはこれまでにどんなものがありますか?
野口:来季のコラボレーションでも使っているのですが、これまでですと“ワイルドサイド ヨウジヤマモト”や「ニードルズ」「ノンネイティブ」でも使っています。
── 手描きでしょうか?
野口:はい。私たちのもの作りは、プリントやジャカード、ニット、刺しゅうと、どんなものでも全て手描きから始まっています。決して手描きにだけこだわっているつもりはないのですが、コレクションのスタートとしては一度手描きしています。手描きってその人なりの癖が出てくるので、人の情緒はそこに宿りますよね。そして今回の“Draw Your Garden”もですけど、花モチーフはペンのタッチや使う画材も含めて、毎シーズンいろんな形を描いています。
── 「G-SHOCK」とのコラボレーションで苦労した点はありますか?
佐々木:野口も話していましたが、使っているテキスタイルはバンダナ柄として作り出したものなので、今回のコラボレーションでも時計をバンダナとして見せたいなと考えてデザインしています。
── 時計全体をバンダナに見立てながらデザインを進められたのですね。
佐々木:そうですね。特にバンダナはスクエア型なので、時計のどこに載せたらなんとなくバンダナらしく見えるだろうかは悩みました。
── 他にもこだわったところはありますか?
野口:どこまで細かくテキスタイルが再現されるかが見えない中で進めていたのですが、すごくきれいに表現されていたのでとても満足しています。バンドのカラーによって、花の配色も変えているんですけど、そこもはっきり分かるようになっていますし、クオリティーが高いですよね。こういったマテリアルは、服ではあまり使わない素材なので、私たちにとってもいい経験になりました。
佐々木:バンドに関してだと、ブラックとスケルトンは「G-SHOCK」らしいカラーだったので、今回やってみたかった色でした。そして、もう1色と思った時にせっかくならば派手にしたいなと思い、オレンジを選びました。スケルトンはあえて光沢感を出しているので、面白い仕上がりになっていますよね。
テキスタイルを楽しんでほしい
── 今回は“MY G-SHOCK”とのコラボレーションになりますが、ユーザーにはどのように楽しんでほしいですか?
佐々木:使っているテキスタイルが“あなたの庭”というメッセージを込めているので、自分の庭を作るような感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです。シミュレーションしてみると思いもよらない組み合わせができあがるので、何度もトライしてみるのもいいかもしれませんね。
野口:何より自分だけのスペシャルなオリジナルの1本を作ることができるのは、すごく楽しいサービスですよね。文字盤の組み合わせを変えるだけでもだいぶ印象は変わりますよ。
── お2人にも実際にカスタムしてもらいましたが、いかがですか?
佐々木:僕はごちゃごちゃしているのがあまり好きではないので、ブラックをベースにベゼルをスケルトンにしてみました。
野口:私はフェイスをホワイトにして、あとはオレンジで統一しました。腕時計って時間を確認するためのものというより、ひとつの大きなアクセサリーを着けている感覚が強いと思うんです。なので、ジュエリー感覚で選んでほしいです。
── 最後に、「ノーマ ティーディー」にとってテキスタイルとはどんな存在なのでしょうか?
野口:ブランド名にも書いてある通り、「t.d.」というのはテキスタルデザインの略です。それほどブランドの核となっているもので、そのためのブランドでもあります。なので、今回のコラボレーションを通じて私たちのテキスタイルを楽しんでいただけたら嬉しいです。
1983年にカシオ計算機から発売された「G-SHOCK」は、音楽やスケートボードといったストリートカルチャーと密にリンクし、ファッションアイテムとしても世界各国で愛されている。今回のコラボレーションモデルは、定番モデルの“DW-5600”を自分好みにカスタムできる“MY G-SHOCK”からのリリースとなる。文字盤はもちろんのこと、ベゼルやバンドといったパーツまでが自由にカスタムできる。随所に「ノーマ ティーディー」のオリジナルテキスタイルが落とし込まれており、ブラック、スケルトン、オレンジの3色がスタンバイ。またオーダーすると本コラボレーションのためにデザインされたオリジナルのボックスに梱包され手元に届く。価格は税込1万9800円。8月9日から「G-SHOCK」のオフィシャルサイトで数量限定で販売される。
EDIT & TEXT:SHUICHI AIZAWA(PineBooks Inc.)
カシオ計算機 お客様相談室
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