ルルレモン·アスレティカ(LULULEMON ATHLETICA)は、本社を構えるカナダ・バンクーバーでグローバルメディアイベントを5月に開催しました。今年で25周年を迎える同社は、「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」「プーマ(PUMA)」に次ぐスポーツブランドとして頭角を表す成長企業です。一般的なスポーツブランドがメンズシューズを売り上げの主軸とするなか、同社はヨガウエアブランドとして創業し、現在も売上高の7割が女性を占めるというユニークなブランドです。人々の健康志向の高まりを追い風にコロナ禍でも業績を伸ばし続ける同社の本社を訪れ、人気の秘訣を探りました。
今回のイベントには14カ国から47メディアが参加しました。同社にとってもここまでの規模のメディアイベントは初めてとのこと。2日間にわたり、エグゼクティブメンバーによるプレゼンテーションやラボ見学のほか、製品を着用してのヨガやランニング、アンバサダーを招いたトークセッションなどを行い、世界のメディアにブランド体験をアピールしました。
事業の根幹は「まだ満たされていないニーズを解決する」
企業の特徴は、創業地の地域性と大きく関連しています。「ルルレモン」創業地であるカナダ·ブリティッシュコロンビア州南西部のバンクーバーは、都会的でありながら自然に囲まれた街です。ダウンタウンから少し歩けば、森林に囲まれた広大な公園やビーチもあります。現地のドライバーによると、夏はクルーズ旅行を、冬はスキーを目当てに観光客で溢れるそう。加えて、バンクーバーの人々は体を動かすことが大好きで、健康的な生活が根付いていると教えてくれました。確かに街には、年齢·性別問わずマイボトルを片手にランニングしている人や、子供を背負ってサイクリングを楽しむファミリーをよく見かけました。人々にウェルネスを届けることをパーパスに持つ「ルルレモン」の誕生背景がよく分かります。実際に「ルルレモン」を着用している人も多かったです。ワークアウトウエアが日常着として定着しているのでしょう。ラグジュアリーブランドの店内を、レギンスのまま買い物している人の姿も日本ではあまり見かけない光景でした。
初日に本社で開催されたセッションに登壇したカルヴィン·マクドナルド(Calvin McDonald)CEOは、「『ルルレモン』は、革新的な製品を通してコミュニティーを築き、ゲスト(顧客)のまだ満たされていないニーズを解決するというアイデアの下生まれた。これが今も私たちの事業の根幹にある考え方だ。25周年を迎え、これまでの歩みをたたえると同時に、これから私たちが向かう方向性を共有できることにワクワクしている」とコメントしました。そして、26年までに売上高125億ドル(約1兆5900億円)を目指すという5カ年計画に触れ、3本柱としてメンズカテゴリー、オムニコマース、北米以外のビジネス拡大に注力すると話しました。
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