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「かつては残酷な声もあった」 コメ兵4代目社長が語る、リセール事業を取り巻く社会変化

リセール事業大手のコメ兵ホールディングス(HD)が事業説明会を東京・渋谷で行った。石原卓児社長が登壇し、「リユースは今あるものを長く使い、新たな自然資本を必要としないビジネス。長く続く事業だが、時代の変化によってこれまで以上に社会的価値が高まっている」と述べた。

同社の23年3月期連結売上高は前期比121.8%増の812億円だった。過去5年で2倍に押し上げる急成長を見せている。石原社長は「伸び代は大いにある」という。最大の理由は、買い取りのポテンシャルだ。メルカリの調査によると、市場価値がありながら、まだ世に出ていない“かくれ資産”と呼ばれる商材が国内に44兆円相当あると言われており、現在扱われているのはそのうち7%だという。

まだ見ぬ商材を集めるべく、各社とも買い取りを強化しており、同社は22〜24年3月期までに買取専門店を100店舗出店する計画だ。「すでに60店舗を出店した。生活導線に多く出し、(かくれ資産が)市場に出回る“介在者”としての役割を強くする」。

石原社長は創業家出身の4代目。幼いころとはリセールのイメージが大きく変わってきたと話す。「かつては良くないイメージもあった。小学生のころ、友人から『中古って壊れそう』『偽物もあるのでは』といった無邪気にも残酷な声を掛けられた。今、当社で働く従業員のお子さまに、同じ思いをしてほしくない。これから、リユースが当たり前の時代がくる。その時、『責任を持って真贋やメンテナンスするコメ兵のような会社があってよかった』と思ってもらえるよう、リユース業界水準を上げていきたい」。4月から26社で構成させる日本リユース業協会の会長に就任し、業界のリーダーとして透明性や信頼性の向上に邁進する。

近年、法改正により中古品の買取規制が緩和されたため、常設店だけでなく商業施設の駐車場や空きスペースでの買取イベントが増加している。リユース業協会にはには商業施設などから「この買取業者は安心できるのか」「買取価格は適正か」など、第3者としての意見を求められることもあるといい、「同業者としてのアドバイスなどを通して、安心・安全な取り組みを全力でサポートする」。また同社は過去にフリマアプリを運営したことがあり、「10点に1点の頻度でイミテーション(偽物)が出回っていた。今もイミテーションは多いはず。具体的な案はまだないが、フリマアプリと連携して、安心・安全にやり取りできるプラットフォーム確立を支援できれば」と展望する。

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