ファッション

エルメスが陶芸作品を集めた「エマイユと身体」展 国内外7人の作家が参加

エルメス(HERMES)財団は、陶芸作品を集めたグループ展「エマイユと身体(からだ)」を、6月17日から9月17日まで銀座メゾンエルメス フォーラムで開催する。

同展では、陶芸に使用する、火と空気でガラス質へと変わる素材エマイユ(釉薬・うわぐすり)に着目し、粘土と身体の関係性を探る内容だ。会場には、シルヴィ・オーヴレ(Sylvie Auvray)、ジャン・ジレル(Jean Girel)、内藤アガーテ(Agathe Naito)、ユースケ・オフハウズ(Yusuke Y. Offhause)、小川待子、フランソワーズ・ペトロヴィッチ(Françoise Petrovitch)、安永正臣の7人のアーティストが、エマイユがもたらす色彩や効果を用いて、身体との関わりを表現した作品を展示する。

16日に行われた内覧会には、シルヴィ・オーヴレとユースケ・オフハウズ、小川待子、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣の5人が登場し、アーティストトークを開催した。セラミックを用いた建築模型を手掛けるユースケ・オフハウズは、2012年から制作し続けている作品シリーズ『たしか私の記憶では』について説明。「簡潔にいうと“ヒューマン3Dスキャナー&プリンター”。観光地の有名な建築物を実際に目で見てスキャンをし、写真を撮らずに帰って、記憶をもとにアトリエでなるべく忠実に再現するプロジェクトだ。記憶の曖昧さをテーマにしているが、曖昧ながらも最低限のエッセンスは残るようで、作品を見た人が『これはあの建造物かも?』と当ててくれるのが面白い」とコメントした。

セラミック作品と絵画を展示するフランソワーズ・ペトロヴィッチは、「私を陶芸に導いてくれたのはエマイユだ。エマイユの働きに興味を持ち、魅了されたのがきっかけ。私は画家でもあるが、絵を描くときにインクが私の意から離れて広がっていくさまと、火によって変容するエマイユはどこか似たものを感じる」と、その魅力を語った。

なお同展は、エルメス財団による、自然素材をめぐる職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みる「スキル・アカデミー」の一環として、2023年夏に出版する書籍「Savoir & Faire 土」の刊行を記念したもの。同書には、16年に出版したフランス語版「Savoir & faire La terre」の一部エッセイ&インタビューの翻訳と、日本の作家による8つのオリジナルテキストやインタビュー、ポートフォリオを掲載予定だ。

■展覧会「エマイユと身体」
日程:6月17日~9月17日
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
場所:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8・9階
休館日:不定休
※エルメス銀座店の営業に準ずる
入場料:無料

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