ファーストリテイリングのユニクロ(UNIQLO)は、6月20日の「世界難民の日」に先駆け、19日に東京・吉祥寺の成蹊小学校で、5年生120人に向けて“届けよう、服のチカラ”プロジェクトの出張授業を行った。同社のアンバサダーである俳優の綾瀬はるかさんもサプライズで登場。生徒と共に衣料品の回収箱を作るワークショップに参加した。
同プロジェクトは、ユニクロが国連難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)と組んで取り組む、小中高向けの学習プログラムで、2013年にスタートした。今年は4月中旬にかけて参加希望校を募り、6〜8月にユニクロやファーストリテイリング社員による出張授業を行い、生徒たちは11月にかけて校内や地域で着なくなった衣料品を回収する。その後、ファーストリテイリングの倉庫に送り、そこから難民キャンプなどに寄贈する流れ。
初年度の13年は107校の約1万5000人の生徒に対し実施。コロナ禍中は参加学校も一時的に減ったが、取り組み10年目となる22年は、745校の約8万8000人に広がったという。「総合学習のコマで授業を希望される学校が多く、毎年参加されている学校もある。座学だけでなく、授業後に生徒たちが主体となった回収アクションも伴っている点がこのプログラムの特徴」とファーストリテイリング サステナビリティ部の山口由希子担当。
今回の授業では通常の学習プログラムに加えて、校内に設置する16個の衣料品回収箱も作成。生徒と綾瀬さんが一緒になって、段ボールに難民の子供たちへ向けたメッセージやイラストを書き込んだ。
またユニクロは、「世界難民の日」に合わせて、UNHCRが18年に立ち上げた難民が故郷の手工芸を生かして作るフェアトレードの雑貨ブランド「メイドフィフティワン(MADE51)」を国内23店と海外4店の店頭で販売している。日本の店舗で販売するのはブレスレット(990円)とキーチェーン(1500円)。同取り組みは、23年末のホリデーシーズン以降は、世界各国の店舗に販路を広げる予定という。加えて、難民の若手アーティストの自己表現の場として、30歳以下を対象にしたアートコンテストも今年から行う。受賞作品はユニクロのTシャツなどに採用され、売り上げの一部をUNHCRの活動に充てる。