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ラグジュアリー企業も苦戦? 米国市場が落とす暗い影

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米百貨店サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)のEC事業であるサックスは5月31日、ラグジュアリーセクターの消費者動向に関するリポート“サックス・ラグジュアリー・パルス(Saks Luxury Pulse)”を発表した。利上げやインフレが急激に進む中、米国市場の景気は減速しつつあるが、富裕層の消費意欲も低下しているのだろうか。同リポートや、ラグジュアリー企業の決算発表などに基づいて分析した。(この記事は「WWDJAPAN」2023年6月19日号からの抜粋です)

同リポートは四半期ごとに発表されており、今回は18歳以上の米国在住者3744人を対象に、4月28日から5月1日の間に行った調査の結果がまとめられている。これによると、回答者の53%は「今後3カ月の間に、過去3カ月と同額もしくはより多い金額をラグジュアリーに使う予定」と回答。過半数を超えていることから多いように思えるが、1月に行った前回の調査では62%だったため、約10ポイントのマイナスとなっている。対象を年収20万ドル(約2780万円)以上の回答者に絞っても、やはり1月の68%から57%へと減少している。

また、「今後3カ月の間に、過去3カ月と比べてより少ない金額をラグジュアリーに使う予定」とした回答者のうち54%は「セールや値引きがあれば購入を検討する」とし、同じく43%は「全体的な景気が回復すれば購入を検討する」とした。米国市場の減速ぶりがうかがえる内容となっているが、その一方で、回答者の67%は「自身の経済状況を楽観視している」と答えている。

サックスのマーク・メトリック(Marc Metrick)最高経営責任者(CEO)は、「ラグジュアリーアイテムを購入できる消費者でも、景気が減速していることを踏まえて消費をやや抑制しようと考えている。しかし(自身の経済環境を楽観視している人が多いため)、景気が上向けば購買意欲も迅速に回復するだろう」と語った。

なお、回答者の82%は「今後3カ月の間に、過去3カ月と同額もしくはより多くの金額を貯蓄に回す」としているが、小売業界にとって明るい材料もある。回答者の77%が「旅行用のホテルや航空券を予約済み、もしくは近日中に旅行に行く予定」で、74%は「旅行のためにラグジュアリーアイテムを購入する予定」と答えていることだ。

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