ファッション

ファレル・ウィリアムスに特別インタビュー! 「ルイ・ヴィトン」メンズ初コレクションを前に心境を語る

6月20日21時30分(現地時間)にデビューコレクションを発表する「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)新メンズ・クリエイティブ・ディレクターが、米「WWD」とのインタビューに応じた。2024年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイークで最も注目度が高いといっても過言ではないショーを数日後に控えたファレルは、「ルイ・ヴィトン」本社内にある自身のスタジオで終始リラックスムード。いつも通りの落ち着いた口調で、現職に就任した際の心境やデビューコレクションのショーについて語った。

ファレルは、15日に初のキャンペーンビジュアルを自身のインスタグラム上で公開した。第2子を妊娠中のリアーナ(Rihanna)が、ふっくらとしたお腹を見せるように“ダミエ(Damier)”モチーフのレザーシャツの前を部分的に開けて着用し、両手にはレッド、イエロー、グリーンなど色鮮やかなカラーのバッグを携えている姿が大きな話題となった。リアーナを起用した理由について、「バッグは『ルイ・ヴィトン』はもちろん、私にとっても非常に重要なアイテムなので、いい友人(であるリアーナ)とともに旅を始めたいと思ったんだ」と述べた。

投稿された画像では、ビルボードの前に立つファレルが着用している黒のバイカージャケットとフレアパンツも注目を集めたが、これらは2024年春夏コレクションからの新作で、ブランドのシグネチャーであるエピレザーで仕立てられているという。このインタビューでは、同じジャケットとパンツにスイスの超高級時計「リシャール・ミル(RICHARD MILLE)」による120万ドル(約1億6920万円)の“RM 88 オートマティック トゥールビヨン スマイリー(RM 88 Automatic Tourbillon Smiley)”ウオッチとイエローダイヤモンドのネックレス、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」とのコラボによるサングラスを合わせている。

ファレルは、21年11月にがんで急逝したヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の後任として今年2月に現職に就任。音楽やアート、ファッションなど多彩なフィールドで活躍するとともに、クリエイティブな世界のさまざまな境界を打ち破り、グローバルなカルチャーアイコンとなったそのマルチな経歴は、「ルイ・ヴィトン」と自身のブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の仕事と並行してDJとして活動したり、アートや家具などのプロジェクトを手掛けたりしてきたヴァージルと重なる。しかし、業界関係者の間では後任候補として多くの若手デザイナーの名前が挙げられていたため、ファレルに決定した際には驚きとともに失望の声もあったという。「確かに私はセントラル・セント・マーチンズ(のような美術学校やデザイン学校)を卒業しているわけではないが、ジュリアード音楽院を卒業したわけでもない。それで、どうなったと思う?」と、13ものグラミー賞を獲得していることを暗に示して問いかけた。「そうした(反対)意見があるのもよく分かるよ。でも、ヴィヴィアン・ウェストウッド(Vivienne Westwood)も安藤忠雄も専門の学校に行っておらず、独学で成功しただろう?私は、自分自身を表現したいだけなんだ」と説明した。

「何より、私は『ルイ・ヴィトン』のファンなんだ」と言うファレルは、ヴァージルの後任にと打診があった際には、「驚いたが、自然な流れだとも感じた」という。「世界最大のラグジュアリーブランドである『ルイ・ヴィトン』には、無限に近いリソースがある。何をしようかと誰でも迷ってしまうぐらいだが、アイデアを出したときに“ノー”と言われることは滅多にない。そして“ノー”である場合には、納得できる合理的で建設的な理由がちゃんとあるし、代わりにさらに大きくて素晴らしいことをする機会を与えてくれる。(天からの)贈り物のようなポジションだ」と思いを述べた。また、ヴァージルについて、「彼のスピリットはまだここに生きているし、彼が築いたものをキャンセルしようとは思わない。むしろ、今後もそれを進化させていきたい」と語った。

インタビュー場所となったデザインスタジオ内にはスピーカーが設置され、音楽制作の機材も置かれている。デビューコレクションでは、ファレルによるオリジナルの楽曲が使われる可能性もゼロではない。「10年以上にわたって作業をしている曲もあるが、どうなるかは当日のお楽しみ」とのことだが、フロントローには大勢のセレブリティーが着席する予定だという。「『ゲーム・オブ・スローンズ(GAME OF THRONES)』になぞらえれば、『ルイ・ヴィトン』は名家中の名家、“ハウス・オブ・ヴィトン”だ。今回のショーは極めて重要なものだが、クリエイティビティーに最高の品質をかけ合わせると、錬金術のように素晴らしい反応が起きる。クレイジーなエネルギーにあふれた、クレイジーなコレクションを披露する、クレイジーなショーになるよ」と自信に満ちた笑顔を見せた。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。