ファッション

千原徹也の初監督映画「アイスクリームフィーバー」 吉岡里帆ら豪華キャストが出演

ファッション業界をはじめ、テレビや広告業界などさまざまなフィールドで活躍するアートディレクターの千原徹也が、映画監督としてデビューする。初作品となる「アイスクリームフィーバー」は7月14日から全国でロードショーだ。

「アイスクリームフィーバー」の原案は、川上未映子の小説「愛の夢とか」(講談社文庫)内収録の「アイスクリーム熱」。テーマソングは吉澤嘉代子が書き下ろした「氷菓子」、エンディングテーマは小沢健二の「春にして君を想う」に決定したことでも話題に。公開に先立ち行われた記者会見には、千原監督のほか、主演を務める吉岡里帆、モトーラ世理奈、詩羽(水曜日のカンパネラ)、松本まりから4名が登壇し、現在の心境を語った。

千原徹也監督:これまでれもんらいふという会社でアートディレクターの仕事をしてきましたが、2019年に映画監督としての活動に踏み切り、これまで共にお仕事させていただいていたワコール「ウンナナクール(UNE NANA COOL)」とアダストリアに、一緒に面白いものを作ろうと相談を持ちかけました。また、カンヌ国際映画祭に行って「映画はもっと自由にやらなくてはいけない」と感じたのも、作品に大きく影響したと思います。制作プロセスや作り方、映画の撮り方まで自由にやろうと思い、今回のメンバーに声をかけました。初めて監督を務めたので、出演者の皆さんそれぞれが持つ個性のままに演じてもらったことにとても助けられました。

吉岡里帆(常田菜摘役):千原さんに映画出演について声をかけていただいたのが3年前ほど前でした。最初は驚きましたが、千原さんが新しいことをやろうとしているワクワク感が伝わったのを覚えています。これまでも映画を作りたいと思っている人にはたくさん出会いましたが、きっと実現するのは大変難しいのだと思います。でも千原さんの情熱や、人との関わりをいかに大切にしてきたかが伝わったので、ぜひ参加したいと思いました。千原さんには毎年、私のカレンダーも作っていただいているのですが、千原さんのアートディレクションはポップでかわいくて、自然と目につくようなものばかり。そして彼が作る作品の裏側にはいつも、素晴らしいスタッフたちが集まります。今回の作品でも「一体どんなスタッフが集結するのだろう」ととても楽しみでした。実際に現場に入り、自分がこれまでに見たことがないものをたくさん見て、まるで魔法にかけられたような感覚になりました。

モトーラ世理奈(橋本佐保役):以前千原さんのドラマ作品に出演したことがあり、その際に映画についてのお話を聞きました。多分、2〜3年ほど前だったと思います。川上未映子さんの「アイスクリーム熱」は以前、イベントで朗読させていただいたことがあったので、そんな作品が千原さんの手によって一体どんな作品になるんだろう……と、とても楽しみでした。最初に脚本を読んだ時、私が演じた“佐保”がどんな人物なのかわからなくて、千原さんと何度もディスカッションしました。そして吉岡さんが演じる“菜摘”と会って、現場で想像力を膨らまして……常に探りながら役作りをしていきました。

詩羽(桑島貴子役):水曜日のカンパネラとしてアーティスト活動をする前に千原さんに出会ったのですが、その時「いつか一緒に面白いことをできたらいいね」と言ってくれました。いざ私がアーティスト活動を始め、一緒にお仕事をするようになってから「映画でてよ〜」とカジュアルに誘ってくれたんです。当時の私はどんな作品か分からず、自分の立場もわかっていませんでしたが、素直な気持ちのままに「やりたい!やります!」と答えました。いざ台本を見て、豪華な出演者のラインアップを知り、かなりの衝撃を受けたのを覚えています(笑)。人生で一度も演技をした経験がない中で出演したこの作品。まだ芸能界に入って1年くらいの状態で、最初は現場のルールも知りませんでしたが、千原さんが作り出す現場の空気は「映画の現場ってこんなに緩いんだ!」と驚くほど自由でした。現場入りする前には“貴子”という役にも愛着が湧き、楽しく演じることができたと思います。

松本まりか(高嶋優役):千原監督とは元々知り合いでしたが、実はこれまでに一緒にお仕事をしたことはなくて。ある夜、カンヌ国際映画祭から帰ってきてまだ飛行場にいる千原監督が突然、真剣な様子で電話をくれ、出演の話をくれました。その時はまだ作品の内容を知りませんでしたが、カンヌで感じたことや情熱をそのままぶつけてくれ「これはやらねばいけないな」と思いました。そして開いた台本の前書きには、監督がこれまでに直面した挫折や絶望、情熱、衝動などが綴られていて、台本を読む前に「やります」と答えました。この作品を見ることで千原監督の生き様を感じられるはず。今までの私の常識を壊して、自由な感性でやったものが作品になりました。

「アイスクリームフィーバー」には上記4人のほか、安達祐実、後藤淳平(ジャルジャル)、はっとり(マカロニえんぴつ)、コムアイ、MEGUMI、ナツ・サマー、片桐はいりなど、個性豊かな出演者が参加する。制作にあたり「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」や「ニコアンド(NIKO AND)」などのブランドを持つアダストリアと、ワコールの「ウンナナクール」との大型タイアップを実施し、衣装演出に取り入れた。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。