本明秀文/アトモス創業者:(ほんみょう・ひでふみ)プロフィール
1968年生まれ。米フィラデルフィアの大学を卒業後、商社に2年間勤務。96年に脱サラし、裏原宿に2.7坪のスニーカー並行輸入店「チャプター」をオープン。翌年、テクストトレーディングカンパニーを設立した。2000年に正規店の「アトモス」をオープンし、国内外に出店拡大。21年10月、米フットロッカーに3億6000万ドル(約400億円)で会社を売却した。23年1月に退社し、現在はおにぎり屋「ぼんこ」を経営する。著書に自身の人生を綴った「シューライフ『400億円』のスニーカーショップを作った男」(光文社)
アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。「G7三重・伊勢志摩交通大臣会合」(6月16〜18日)で、本明さんが経営するおにぎり屋「ぼんこ」改め「まんま」が軽食をプロデュースした。屋号が変わったことは改めて本稿で本明さんに聞くとして、昨今の物価高騰はやはり薄利多売の飲食業にとっては痛手らしい。かつて本明さんは「利益を出すことで新しいチャレンジができる」とも語っていた。今回は、本業の裏にある安定的な収益源の話。(この記事はWWDジャパン2023年6月26日号からの抜粋です)
本明秀文・アトモス創業者(以下、本明):知り合い伝いに連絡があって、おにぎり屋「まんま」が「G7三重・伊勢志摩交通大臣会合」の軽食をプロデュースした。政府関係の仕事は大変だね。具材にも縛りがあって、牛肉なら松坂牛とか、三重県の特産品を使わないといけない。それで新しいメニューを考えなきゃならなかった。報酬も一切無し。それでも参加したいという声がすごく多いみたい。確かに参加しただけで、反響がすごい。「G7広島サミット」でイギリスのスナク首相が“カープソックス”を履いて商品が品薄状態になっていたけど、国内外でたくさん報道されるから、PRとしてはすごく影響力がある。
――おにぎりは日本のソウルフードだし、G7と相性が良さそうです。
本明:そう。普段は店で出来たてを提供しているけど、70代の女性に「冷えても美味しいのがおにぎり」と言われて、改めておにぎりの可能性に気付いた。今、パリでは「おむすび権兵衛」が大人気らしいよ。
――海外進出の可能性が高まりますね。
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