「ランバン(LANVIN)」は6月23日、さまざまな分野のクリエイターを招へいする新たなプロジェクト「ランバン ラボ(LANVIN LAB)」の最初のクリエイティブ・ディレクターとして、グラミー賞受賞アーティストのフューチャー(Future)を起用した。
「ランバン」はクリエイション体制を刷新しており、4月には同ブランドを4年間率いたブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)=クリエイティブ・ディレクターが退任。「ランバン ラボ」は、創造的なコラボレーションとユニークな文化的対話を目指して立ち上げられたプロジェクトで、メゾンの歴史ある伝統と規範を明確にして拡大するため、クリエイティブなパートナーシップを通じて新たなアイデアやコンセプトを発展させていくという。なお、「ランバン ラボ」はシーズンごとのコレクションを補完するもので、今回はメンズとウィメンズのウエアとアクセサリーを展開する。コレクションは2023年冬に、「ランバン」の店舗とECのほか、一部小売店で販売する予定。
フューチャーは、米ジョージア州出身の39歳。アトランタを拠点とするヒップホップグループで活動した後、12年にデビューアルバム「プルート(Pluto)」を発表。期待の新人として大きな注目を集め、14年にリリースしたセカンドアルバムは米ビルボード(Billboard)のアルバムチャートで2位を、サードアルバムは同じく1位を獲得。その後もヒット作を連発し、アメリカのヒップホップシーンを代表する存在となっている。
今回フューチャーを起用した背景には、「ランバン」の創業者であるジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)が音楽やアートなどカルチャーに造詣が深く、その娘でブランドのミューズでもあったマルグリット・ランバン(Marguerite Lanvin)も優れた音楽家だったことがあるという。なお、「ランバン」は“メロディー(Melodie)”や“コンチェルト(Concerto)”など、音楽にちなんだアクセサリーラインをいくつか発表している。
シッダールタ・シュクラ(Siddhartha Shukla)=ランバン デピュティ・ジェネラルマネジャーは、「フューチャーは世界で最も重要かつ影響力のあるミュージシャン、プロデューサー、アーティストの一人であり、個性的かつ非常に洗練されたスタイルを持っている。彼の個性を大切にしつつ高みを目指す姿勢は、『ランバン』のブランド倫理と社会的、文化的に深く響き合う」と語った。コレクションの詳細は明らかにされていないが、同氏によれば、「フューチャーはリサーチの段階からクリエイティブにフルに関わっており、パリにある『ランバン』のデザインスタジオでチームと共に作業を行った。コレクションは『ランバン』のブランドコードと、フューチャーのユニークな美的感覚を融合したものになる」という。