「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、「WWDBEAUTY」の2023年上半期ベストコスメを振り返る。
ソーシャルエディター浅野:「WWDBEAUTY」の上半期ベストコスメが全て発表となりましたね。ウェブと紙面、そして今回はMEGUMIさんをゲストに迎えてYouTube動画も公開します。コスメ好きにとってベストコスメは年に2回のお祭りのようなもので、各メディアの発表はもちろん、インフルエンサーや個人単位のベスコスまとめなども注目されており、さまざまなSNSで盛り上がっています。
今年は例年以上にSNSのバズの影響が大きい結果となりました。「WWDBEAUTY」のベストコスメは売れた商品を発表しているので、とくに新商品部門も総合部門も“バズコスメ”だらけです。メイクアップでは「メイベリン(MAYBELLINE)」のマスカラ“スカイハイ”は、発売後しばらく入手困難になったほどの人気アイテム。TWICEのメイクも手がけるメイクアップアーティストのウォン・ジョンヨ(Won Jungyo)によるコスメブランドのアイテムがランクインしたのも印象的でした。新商品の美容液部門と、乳液・クリーム部門にラインクインした「クオリティファースト(QUALITY 1ST)」のアイテムも、まさにバズコスメ。SNSで盛り上がっている成分ブームの筆頭であるビタミンCやレチノール配合製品も目立ちました。
「イントゥ ユゥ」や「ロムアンド」は実店舗販売も増加して勢い
韓国コスメと中国コスメの勢いも感じます。もちろんトレンドとしてここ数年盛り上がっていましたが、売り上げの上位に入ってくるということは、一過性のトレンドではなく定番のカテゴリーとして定着したのかもしれません。「Qoo10」などのECだけでなく、実店舗での販売が増加したことも影響しているのでしょう。総合のリップ部門で「ディオール(DIOR)」と「ケイト(KATE)」が無双している中にランクインした中国コスメ「イントゥ ユゥ(INTO YOU)」と韓国コスメ「ロムアンド(ROM&ND)」はインパクトがありました。
村上さんは、上半期のベストコスメで気になったことはありましたか?
記者村上:「ケイト」のコンシーラーブラシや、「ウォンジョンヨ」の「涙袋ペンシル」などは、その製品はもちろん、似たような形状の別の商品も含めてTikTokでバズりましたよね。そろそろプチプラやバラエティストアでは、“TikTok売れ”した製品が上位にランクインしてくるんだなぁと感じました。TikTok売れでは、効果実感はもちろん、使い方とか、使っている時のインパクトも大事じゃないですか?ベースメイク部門の百貨店新製品2位「ディオール」の“スキン フォーエヴァー スキン コレクト コンシーラー”なんかも、ほうれい線に沿って塗ったり、顔に放射線状に塗り広げたりの使い方がTikTokで大きなインパクトを残した印象があります。効果・効能はもちろん、パッケージから使用感、そしてついには使い方さえTikTok映えするかどうか?まで、全てが大事な時代。開発担当者は大変ですね(笑)。
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