ファッション

スパイバーが目指す「究極の循環型アパレルエコシステム」、ゴールドウインとパンゲアが参画

スパイバー(Spiber)は、衣料品や農業残渣などの廃棄物を原料に人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(Brewed Protein)」を生産する仕組み「バイオスフィア・サーキュレーション(生物圏循環)」の研究開発を進めている。これは、バイオベースで生分解性の繊維や、サトウキビのバガスやトウモロコシの茎葉などの農業廃棄物などこれまでゴミとされてきたものを資源として最大限活用して「ブリュード・プロテイン」素材に再生するもの。現在、「ブリュード・プロテイン」の原料はサトウキビやトウモロコシの可食部で、生産のための土地が必要なうえ、食糧生産とバッティングしておりバージン素材ともいえる。それが、廃棄物を原料に生産できるとなれば、循環型の廃棄ゼロ社会を実現する「究極のアパレル型エコシステム」ともいえる。そのために必要な技術の確立、製品設計ガイドラインの作成、インフラ構築などに向けて取り組んでいる。

スパイバーはこのほど、このプロジェクトにゴールドウインと欧米拠点の「パンゲア(PANGAIA)」が参画すると発表した。両社ともすでにスパイバーと協働する企業で、循環可能な包括的な製品設計ガイドライン開発に向けたサポートを行う。

ゴールドウインとは微生物が栄養素として分解できるかなどの課題を検知するために試験的なプロダクトを制作。タグにはオーガニックコットンを、縫製糸にはセルロースベースの糸を用いた。今回の試作で多くの示唆や情報を得ることができたというが、今後、完全な循環性に向けてさらに精査を進める。例えば、染料などの加工材料の分解性やセルロースベースにしたときの縫製糸の強度などだ。

なおこのデモプロダクトは、6月26~28日まで英国ロンドンで開催された持続可能なソリューションを提供するアパレル素材の見本市「フューチャー ファブリック エクスポ(Future Fabrics Expo)」内の革新的な素材をフィーチャーした「イノベーションハブ(Innovation Hub)」ブースで展示された。

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