カインズ傘下のハンズは6月29日、旗艦店のハンズ新宿(2〜8階)をリニューアルオープンする。店舗空間やフロア構成を一新し、新宿エリアで初出店となるカインズが入居する。高家正行ハンズ代表取締役会長兼カインズ社長 CEOは「ハンズとカインズが同じ館に出店するのは、昨年から目指していた『DIY文化の共創』の第一歩となる」と強調した。
ハンズは、2022年3月に東急不動産ホールディングスからホームセンター大手のカインズの子会社となった。同年10月に社名(商号)と店名(屋号)を「東急ハンズ」から「ハンズ」に変更し、ロゴも刷新。国内外の全65店舗のうち17店舗が新しい看板に切り替えており、24年3月末までに順次変更する。また4月以降、大型商業施設ららぽーとの豊洲、富士見、湘南平塚で店舗の改装を実施している。
ハンズ(前・東急ハンズ)は1976年に創業。手を表す“ハンズ”には、生活者が自らの手でライフスタイルを創造するという思いが込められているが、創業から半世紀が経った現在、「手はスマホを握るだけの役割になりつつある」という。そこで、「手を使うことを超えた、頭を拡張させる手、心を拡張させる手」として“手”を再定義。新たに「手でソウゾウしよう。手でワクワクしよう。」をコンセプトに掲げる。
ハンズ新宿は、そのコンセプトを体現する1号店として品ぞろえやMDを一から見直し、再編集を行なった。2〜7階は各フロアにテーマを設け、専任のスタッフを配置。8階はカインズをオープンする。
ハンズ自体は従来の店舗から1フロア分減ったことになるが、各フロアで倉庫だった場所を売り場に切り替えるなど、実質の売り場面積は10%減った計算になるという。カテゴリーに関してはインテリアを縮小し、ビューティや雑貨、ペット関連、グリーン類を強化した。
ハンズの入り口でもある2階は、顧客からの「熱いメッセージ」が書かれた紙の筒状を天井の装飾として施した。バッグや財布ほか、カード約2000種類、バルーン約250種類を取り扱い、ラッピング用品を豊富にそろえる。さらに、新宿店初となる切り花コーナーも導入した。フロアの中央では、リニューアルの目玉でもある「新しい文化の芽」プロジェクトを開始。「世の中の半歩先の提案、流行の兆しが見つかる」「地域・産業の魅力を再発見できる」など、まだ世に知られていない「文化のタネ」を見つけ、育て、暮らしの中に根付かせていく企画に取り組む。第1弾は“BOTTO(没頭)”をキーワードに、マインドフルネスになれる商品や体験を展開する。
3階のヘルス・ビューティフロアは、新たにテスターバーを設置。メンズコスメコーナーを拡充したほか、約1カ月単位で入れ替わるポップアップコーナーを設置。第1弾では中国コスメを特集する。
4階の文具フロアは、約4500種類のマスキングテープやシールスタンプなどデコレーションアイテムをそろえる。また、筆記具や財布、パスケースの名入れサービスをスタートする。5階はクラフト・トラベル・アウトドア関連を扱う。
6階はDIY関連を扱うフロアで、体験スペース「HANDS DO」を設置。ワークショップやカインズとのコラボレーション企画を実施していく。7階は約300種類の包丁を扱うなどハウスウエアを取り扱う。包丁研ぎなど愛用品を長く使うための修理やメンテナンスサービスを用意し、365日実施するワークショップコーナー“HANDS DO”を設けた。
8階は、新宿エリア初出店となるカインズがオープンする。売場面積は950㎡。「くらしをもっと楽しくする創意工夫のアイデアとオリジナル商品を提案する」4つのエリアで構成。掃除用具やインテリア、睡眠用具、植物など厳選した商品をラインアップする。なお今後、カインズをハンズ店舗に導入する計画は未定だという。
今後のハンズに関して桜井悟ハンズ社長は、「23年は既存店の改装に力を注ぎ、24年から新規出店やプライベートブランドの開発を本格的に始動する」と述べた。
■ハンズ新宿店
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 タカシマヤ タイムズスクエア2~8階
営業時間:10~21時