ファッション

「ドリス ヴァン ノッテン」2017年春夏パリ・メンズ・コレクション

REPORT

得意のミックス、アートの力を借りてさらに進化

「ドリス ヴァン ノッテン」は2017年春夏、得意のハイパーミックスに、アートやクラフトのマインドをさらに加え、多面的なコレクション披露した。スタートは、生成色のリネンコットンで作ったトレンチコート。その上には大きなポケットついたハーネス、さらに腰元には長いフリンジを何本も垂らし、“スポンテニアス(着る人に解釈の余地を残す服)”とも受け取れるDIY感をプラスしたが、それでもまだ「ミニマル」とも表現できるシンプルなスタイル。ただそこから、コレクションはさまざまな時代、スタイル、そしてアートを取り込み、進化を遂げる。

 序盤はまずテクノテイストなシルバーテクニカルファブリックが加わった。巨大なモッズコートやチュニック丈のプルオーバーなど、ミニマルなスタイルにストリートライクなムードが加わっていく。

 そしてお次はアート。今季はバロック時代の絵画に魅せられ、さまざまな作品を洋服にハイブリッドする。ただ、古典的にはならないように。バロック調の絵画は、ボンバーズやモッズコート、ドローコードショーツなど、現代的なアイテムに加わった。

 その後は光沢を放つテクニカルファブリック、一般的なモノトーン、絵画プリントのテキスタイル、ビンテージライクなローゲージニット、カモフラージュ、そしてデニムと、デニムの転写プリントが複雑に絡み合い、ドリスらしい折衷の世界観を構築する。フォームも、基本はルーズとタイトコンビネーション。そこにストラップで解釈の余地を残した。あらゆるものをミックスし、階級や国籍、年齢を問わないスタイルに変換するドリスの才能は、健在だ。

LOOK

DRIES VAN NOTEN x コレクションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。