「ティファニー(TIFFANY & CO.)」銀座本店が、7月7日にリニューアルオープンした。同ブランドと日本の絆は深く、1972年に3カ国目の海外展開国として日本に初出店し、96年に現住所に銀座本店を開業した。今回のリニューアルは2008年に次ぐ2度目で、4月に生まれ変わった米ニューヨーク五番街の本店“ランドマーク”のDNAを受け継ぐ、日本における“ハイジュエリーの殿堂”となる。
同店の総面積は約890㎡で、地上2フロア構成。隈研吾が手掛けたファサードはそのままに、内装を一新した。店内は、天井や什器など至るところにおだやかなカーブを取り入れ、サーモンピンクをメインカラーにしたソフトなカラーパレットが、洗練された温かみのある空間を演出する。ギャラリーさながらに、アートワークも随所に展示。さらに、“ランドマーク”同様、ブランドを代表するジュエリーデザイナーをイメージしたスペースも新たに設けた。両フロアには、最新のデザインコンセプト“ダイヤモンドヴィトリン”も設置。来店客を“ダイヤモンドキング”と称される「ティファニー」の新たな世界へと誘う。リニューアルオープンを記念して、外観には内観同様、ダミアン・ハーストのアート作品が施された。
1階にはアイコン&
ハイジュエリーコレクションが集結
1 / 5
吹き抜けのエントランスを抜けた1階には、“ティファニー T(Tiffany T)”や“ティファニー ハードウェア(Tiffany Hardwear)” “ティファニー ロック(Tiffany Lock)”など、ブランドを代表するアイコンコレクションが多数並ぶ。ハイジュエリーも常設展示し、国内店舗最大の取り扱いを誇る。
「ティファニー」を代表するデザイナーである、エルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)にオマージュを捧げたスペースも誕生した。代表作“ビーン デザイン”のシルエットから着想を得たコルク素材の什器を配置し、ブルーを基調とした独創的な世界観が広がる。
さらに、リニューアルオープンを記念して、「ティファニー」が所有する希少なアーカイブピースを展示。1800年代や1900年代前半に製作したネックレスやブレスレット、ブローチなどが並び、ブランドの歴史に触れることができる。2階までおよぶダミアン・ハーストのアート作品で彩られた壁が、さらなる存在感を放つ。
2階はブライダルコレクションに加え
ジャン・シュランバージェの名作も
1 / 4
2階は、ブライダルコレクションを中心にそろえる。1886年に創業者チャールズ・ルイス・ティファニー(Charles Lewis Tiffany)が世界で初めて考案した6本爪の“ティファニー® セッティング”をはじめ、エンゲージメントリングやマリッジリングなどが豊富に並ぶ。奥にはウオッチセクションも設けた。
新たに誕生した、20世紀を代表するジュエリーデザイナー、ジャン・シュランバージェ(Jean Schlumberger)にオマージュを捧げたスペースは、“ランドマーク”をほうふつとさせる知的で華やかな世界観だ。スペース中央に設置した四面体のショーケースには、シュランバージェの名作“バード オン ア ロック(Bird on a Rock)”ブローチや、彼の作品を再解釈したハイジュエリーピースを展示する。
また、VIP顧客専用のプライベートサロンも併設し、ブランドが誇る貴重なアートピースとモダンな家具を配して、ラグジュアリーな居住空間を再現。リラックスしたひとときを提供する。
銀座本店限定&先行アイテムを発売
リニューアルオープンを記念し、銀座本店限定カラーの“ティファニー コーヒー カップ”を販売する。ティファニーブルーとイエローの2個セットだ。また、昨年ローンチした“ティファニーロック”コレクションの新作リングやピアス、ペンダントなどの先行販売も行う。
“銀座本店で「ティファニー」の魔法と
伝統的なクラフトマンシップ体験を”
WWDJAPAN(以下、WWD):“ランドマーク”のコンセプトを引き継ぐ銀座本店のリニューアルでこだわった点は?
アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=プロダクト&コミュニケーション部門エグゼクティブ ヴァイス プレジデント(以下、アルノー):“ランドマーク”は、私たちが今後オープンする全世界の店舗の設計図であり、インスピレーション源としての役割も果たしている。この新コンセプトを採用した日本で最初の店舗である銀座本店は、来店客が「ティファニー」の世界観に浸れるような、温かく洗練
された空間に仕上がっている。
WWD:アンソニー・ルドリュ社長兼CEOは、“ランドマーク”を“カルチャーのデスティネーションストア(その店だけを目的にわざわざ訪れる店)”と位置付けている。改めて、実店舗の役割とは?
アルノー:新たな構想で生まれ変わった「ティファニー」の店舗は、従来の店舗では味わうことのできない、ユニークな体験を提供できるようデザインしている。まさに、アートやクラフトマンシップ、ヘリテージ、ライフスタイルが一堂に会するデスティネーションだ。銀座本店では、「ティファニー」の魔法と、ブランドの伝統的なクラフトマンシップを体験してもらえるだろう。
WWD:近年、ハイジュエリーコレクションを強く打ち出している。銀座本店は日本においてそれを象徴する店舗となるが、日本でのハイジュエリー需要や市場をどう見ている?
アルノー:日本の中心地である銀座本店では、厳選した極上のハイジュエリーを提供する予定だ。「ティファニー」の日本におけるビジネスは急成長しており、顧客との密接な関係を構築できている。日本市場は今後も継続的な成長が期待でき、素晴らしい可能性を秘めている。だからこそ私たちは、ローカライゼーションと各地のお客さまとの共感に重きを置き、顧客体験を通じて、ブランドの魅力と関連性をより高める取り組みにさらに注力していく。
WWD:前職の「リモワ(RIMOWA)」では、LVMHグループ内でのコラボレーションを通じてファッションイメージを定着させた。「ティファニー」でも新規客層を広げる戦略は考えている?
アルノー:コラボレーションを通じて新たなオーディエンスと真摯に向き合うことは、サービスのさらなる拡大につながる。「ティファニー」には、さまざまなアーティストやブランドとタッグを組んできた歴史があり、その根底には、絶え間ないイノベーションの追求と、情熱をもって道を切り開く、ブランドの中核的価値観が流れている。最近では、「フェンディ(FENDI)」や「ナイキ(NIKE)」「ミスチーフ(MISCHIEF)」、アーティストのダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)とのコラボレーションが世界中で話題となり、素晴らしい成功を収めた。新時代を迎えた「ティファニー」の姿を効果的に発信できたと思う。
WWD:今後の展望は?
アルノー:ブランドの成長は、私たちの戦略がうまくいっていることを示している。私たちのコミュニケーションスタイルは、時代に合わせて変遷している。約190年におよぶ歴史に敬意を払いつつ、より大胆かつ斬新な形でコミュニケーションが取れるようになった今、今後も新しいものを積極的に取り入れ、向上し、ブランドを拡大していきたい。
東京都中央区銀座2-7-17
11:00〜20:00
不定休
PHOTOS : TAKAHIRO IGARASHI[AYAKA MIYOSHI],
KARL LAGERFELD[ALEXANDRE ARNAULT],
KUNIHISA KOBAYASHI[STORE],
TIFFANY & CO.[FACADE AND ITEMS]
STYLING : DAISUKE FUJIMOTO
HAIR & MAKEUP : YUDAI MAKINO(VIERGE)
ティファニー・ジャパン・インク
0120-488-712