「ルード(RHUDE)」の少数株主ジョージ・ロバートソン(George Robertson)は、「ルード」の創業者で「バリー(BALLY)」の元クリエイティブ・ディレクター、ルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)が“贅沢な生活”のために「ルード」の利益を盗んだとして提訴。損害賠償などに加え、ビラセノールを管理職から解任することを求めている。ビラセノールの広報担当は、「ロバートソンの主張は事実無根であり、法廷で弁明する機会を楽しみにしている」とコメントしている。
「ルード」の株式を20%保有しているロバートソンは、ビラセノールが「ルード」の売り上げを個人的な有限会社に移していると主張。また、ビラセノールが「ザラ(ZARA)」と発表したコラボコレクション“RHU”などが、「ルード」の商標権を侵害しているとも主張している。ロバートソンによると、“RHU”はもともと「ルード」のために作られたブランド名だったという。そのほかにも、ロバートソンはビラセノールが「ルード」の売り上げを偽っていたと主張する。ビラセノールは「ルード」の2020年の売り上げが3000万ドル(約43億2000万円)、21年は3000万ドルを超えると公表していたが、納税申告書には、「20年は1000万ドル(約14億4000万円)、21年は1800万ドル(約25億9200万円)と記載されていたという。
ロバートソンは、ビラセノールが「ルード」の商品をNBA選手やミュージシャンなどの“VIP顧客”にプライベートセールを開いて販売し、その売り上げをビラセノールの個人会社またはビラセノール個人に入るようにしていたと訴える。訴状には、20年9月28日に行われたプライベートセールの例が記載されており、ビラセノールは1万5331ドル(約220万円)相当の「ルード」製品を販売し、その売り上げを懐に入れたという。
ビラセノールは15年にストリートブランド「ルード」を創業。22年に「バリー」のクリエイティブ・ディレクターに任命され、23年春夏シーズンからわずか2シーズンを披露したのち、今年5月に退任が発表された。