毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年7月3日号からの抜粋です)
横山:10年以上繊維商社特集を担当してきて、ビジネスモデルや社員の雰囲気も変わったと思いました。アパレル産業の変化を受けて、その大動脈ともいえる繊維商社も変わったんですよね。今回の特集では、そんな変化をうまく表現したいと考え、どう見せるかを企画を立てる段階で長橋さんに相談しました。
長橋:毎年恒例の繊維商社各社のタイアップ記事も含めた特集ですね。前回は各社の製品をモデルに着せてファッションシューティングを行い、新機軸を打ち出せたという手応えがありましたが、今回はイラストがいいという希望でした。取り上げる6社の個性を表現しようというときに、各社を擬人化して、アメコミのキャラクター的な表現にしたら、面白いのではないかと。ファッション性を担保しつつ、ビジュアルとしての統一感も出したかったので、イラストレーターのハギーKさんとも一緒に随分議論しましたね。
横山:各キャラを作っていくのも、こちらの押し付けでは通りません。今回はこのキャラ作りのためのキーワードを得るために、各社6〜10人を幅広く集めてもらって、企業の特性について座談会を実施しました。事前にすごく話し合ってデザインのフォーマットや構成要素もクリアにして企画書を用意できたので、各社への協力要請も含めて、スムーズに進行できました。
長橋:準備は結構大変でしたね。でも、それくらい準備してイラスト化しないと、描き直しになるリスクが高いですし、描き直すとなるとイラストレーターさんの負担が大きくなり過ぎてしまいますからね。アメコミ風なので、キーワードの説明や画像をコマ割りのデザインに収めました。
横山:繊維商社というとタテ割り組織で、隣の部署さえライバル視するような雰囲気がありましたが、最近は部署を超えたつながりの重要性の高まりもあって、繊維商社側の窓口の方々に頑張っていただけました。。そうした議論を経た上で出来上がったイラストなので、各社からの反応も良かったですし、すごくインパクトのある表紙もできました。デザイナーと二人三脚の編集主導のコンテンツ作りという意味で、私にとって学ぶことが多い特集でした。
長橋:私もやりがいがありました。
横山:今回のやり方を今後の特集作りに生かしていきます。頼りにしてます!!