「東京ガールズコレクション(以下、TGC)」運営会社のダブル トウキョウ(W TOKYO)が6月29日に東証グロース市場に上場した。公募価格3000円に対し、初値はなんと2.3倍の7000円だった。現在(7月6日の終値)は5020円と落ち込んでいるものの、大株主や個人株主には大物業界人も名を連ね、日本発の大型ファッションイベントとして日本だけでなく、海外にも進出している「TGC」には今後も注目が集まりそうだ。
ダブル トウキョウの直近業績(22年6月期)は売上高が46.4%増の20億6500万円、営業利益は9300万円(前期は2億1100万円の赤字)、経常利益は8700万円(同2億200万円の赤字)、純利益は1億2800万円(同2億1800万円の赤字)だった。自己資本比率は20.9%。
「TGC」はもともと、世界的に見ても異様な早さで成功を収めていたモバイルECサイト「ガールズウォーカー(girlswaliker)」を運営するゼイヴェルが、同サイトの関連イベントとして2005年8月にスタート。翌年5月には同社が博報堂DYメディアパートナーズと合弁で広告営業の会社F1メディアを設立し、その後09年にはF1メディア(15年11月にW mediaに商業変更)が「TGC」の制作・運営も行うようになった。16年9月には、「TGC」の商標を獲得していたディー・エル・イー(DLE)がW mediaを100%子会社化した。
「TGC」はかなり早い段階から海外でも開催しており、早くも13年にはシンガポールで、14年にはタイで実施していた。DLEの傘下に入ってからは地方創生などの動きとも連携し、北九州や静岡、インドネシア・ジャカルタなど、国内外で積極的に「TGC」を開催。19年6月には、既存株主のマイナビや個人投資家などにより、DLEから独立した。
上場申請時の有価証券報告書を見ると株主構成は、14年9月から代表取締役を務める村上範義氏が28.10%を所有する筆頭株主で、かつての親会社DLEが15.20%、ベンチャーキャピタルの帝都インベストメンツが8.91%、マイナビが6.50%、ベクトルと電通、トランザクション、CCC傘下のカルチュア・エンタテインメントが5.30%、藤島ジュリー景子氏が社長を務めるジェイ・ストームも2.88%を所有している。
個人株主にはファッション業界関連では、幻冬舎社長の見城徹氏や秋元康氏、スタイリストの野口強氏ら、そうそうたるメンバー名を連ねている。また、投資家・起業家関連では片山晃(4.88%)や東義和(2.12%)が大株主として入っている。