ドイツ発のアウトドアブランド「ジャック・ウルフスキン(JACK WOLFSKIN)」が、2023-24年秋冬シーズンの展示会を開催した。会場にお邪魔し、“ロングセラー商品”“23年春夏シーズンの売れ筋No.1”“23-24年秋冬シーズンのイチ押し”について聞いた。
独No.1アウトドアブランド「ジャック・ウルフスキン」とは?
「ジャック・ウルフスキン」は1981年、ドイツ・フランクフルトで創業した。ブランド名には、創業者ウルリッヒ・ダウズィン(Ulrich Dausien)の“狼の毛皮のように、どんな環境・天候でも快適に過ごせるアウトドアギアを作りたい”との思いが込められ、アイコンマークにも狼の足跡を採用する。
喜田慎「ジャック・ウルフスキン」マーケティグマネジャーは、「ドイツ国内では認知度が7割を超え、断トツのNo.1(同ブランド調べ、2位の世界的アウトドアブランドは約5割)。欧州市場でもトップクラスのシェアを持つ」と話す。日本では70〜80年代に同ブランドのバックパックが流行したことから、50代以上の認知度は高い。
2019年に米国のトップゴルフ キャロウェイ ブランズ コーポレーション(TOPGOLF CALLAWAY BRANDS CORP.)が、「ジャック・ウルフスキン」を有するドイツのJW スターゲイザー ホールディングス(JW STARGAZER HOLDING)を買収。これに伴い、国内でも20年からキャロウェイゴルフ(東京、ボーズマン・アレックス・ミッチェル[Boezeman Alex Mitchell]社長)による運営が始まった。
ロングセラーは“かゆいところに手の届く”日本企画のジャケット
ロングセラー商品は、カラーブロッキングが特徴の“クラシック バーサ リップストップ ジャケット”(1万7600円)だ。ボディーのリップストップは100%リサイクル素材で、そこにPFCフリー(環境汚染の懸念があるフッ素化合物を使わない)のはっ水加工を施す。「ジャック・ウルフスキン」では、「20年にPFCフリー100%を達成した」という。
また、右胸のコネクタブルテープにポーチをドッキングでき、本体を左脇ポケット内に収納できるパッカブル機能を持つ。かゆいところに手の届く仕様は、日本企画によるものと聞いて納得した。
春夏のアウトドア服としては珍しいシックなニュアンスカラーが人気
23年春夏シーズンの売れ筋No.1は、“ゴー ハイク ジャケット”(2万2000円)だ。こちらの表地はリサイクルポリエステル100%。ストレッチ性があり、身頃とフードの内側はメッシュ仕様にしている。また、中材の防水・透湿素材メンブレンにもリサイクル原料を使用する。喜田マーケティグマネジャーは、「『ジャック・ウルフスキン』はアウトドアブランドとして初めてリサイクルメンブレンを採用した」と述べる。
ヒットの理由について聞くと、「アウトドアウエアの春夏物としては珍しい、シックなニュアンスカラーが一因と考える。実際、春先の羽織り物としてスーツの上に着たり、レインウエア代わりに選択するビジネスパーソンが多数いた。もちろん、オフタイムにはショーツに合わせて良し、ジーンズに合わせて良しの汎用性の高さも持つ」と答えた。
秋冬のイチ押しは動物愛護を意識した700フィルパワーのダウン
23-24年秋冬シーズンにプッシュするのは、“アークトレイラー ダウンジャケット ヴイツー”(5万2800円)だ。ダウンの膨らみ(=暖かさ)を示すフィルパワーは、高品質とされる700。
表地・裏地は共にリサイクルナイロン100%で、中材はリサイクルメンブレン。8:2の比率で用いるダウンとフェザーは米国のサプライヤー、アライド フェザー+ダウン(ALLIED FEATHER+DOWN)によるもので、「同社は厳格な動物愛護規定をパスした素材のみを供給することで知られる」と説明する。
デザイン面では縫製やファスナーの配置により縦ラインを意識させ、「スマートに着られることを意識した」。グリーンのライニングとのコントラスも美しい。