「ディオール(DIOR)」はこのほど、「デニム・ティアーズ(DENIM TEARS)」の創設者トレマイン・エモリー(Tremaine Emory)をゲストデザイナーに迎えたカプセルコレクション、「ディオール ティアーズ(DIOR TEARS)」を発売した。これは「ディオール」2023年プレ・フォール・メンズ・コレクションのショーで披露したもので、今回の発売を記念したポップアップをロンドン(7月8~13日)のほか、東京(7月12~30日)、ソウル(7月13~22日)、上海(7月15~25日)で開催する。
ロンドンのポップアップには、キム・ジョーンズ(Kim Jones)「ディオール」メンズ アーティスティック・ディレクターが来場。会場では、多感覚を刺激するイマーシブな体験を提供するべく、ミュージックパフォーマンスやフラワーアーティストの東信によるビデオプロジェクションのほか、大きなバルーンを使用したインスタレーションなどを行う。ソウルと上海では、バルーンの中に入ることも可能だという。
「デニム・ティアーズ」は2019年の設立。“アフリカ人のディアスポラ(African diaspora、アフリカの離散)”と呼ばれる、16~19世紀にかけて中部および西部アフリカから奴隷としてアメリカ大陸に移送された黒人の子孫に関するストーリーが主なテーマとなっており、人種的正義を求める活動についてもシグネチャーであるコットンリースのモチーフなどを通じて表現している。同ブランドは、これまでに「アグ(UGG)」「リーバイス(LEVI’S)」「コンバース(CONVERSE)」「アシックス(ASICS)」などさまざまなブランドとコラボレーションを行ってきた。また、エモリー創設者は、22年2月から「シュプリーム(SUPREME)」のクリエイティブ・ディレクターも務めている。
「ディオール ティアーズ」コレクションは、ジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin)やマイルス・デイヴィス(Miles Davis)など、故郷の米国では人種差別を受けつつも、欧州で高く評価された黒人作家やミュージシャンが着想源だという。「ディオール」のアトリエが持つクラフツマンシップとアメリカの定番アイテムを融合し、カジュアルなチェック柄のシャツやリラックス感のあるチノパンツ、クラシックで上質なウールコートやスーツ、テディジャケットなどをそろえた。