コーセーの「コスメデコルテ(DECORTE)」は9月16日、最高級ライン“AQ”を6年ぶりに刷新する。長年再生医療とニューロサイエンス(神経科学)の発想を取り入れてきた“AQ”は今回、心の幸福感に着目。「どんな心の状態でも美しさを揺るがせない」ことを目指し、肌のみならず、心の輝きを高めることを目指す。
製品には、新たに香り高い金香木から抽出したエキスのほか、生体内に存在するプロテオグリカンの一種のコンドロイチン硫酸を配合。新デリバリーカプセルがどんな肌状態にも有効成分を届け、なめらかな艶肌に導く。また「1品1品が美容液級」を謳い、レイヤードすることで更なる相乗効果をもたらすことを目指しながらも、それぞれの製品で高い効果を追究。化粧水の前に乳液を先行する独自の美容理論に基づき、「ツヤ出し先行乳液」を謳う“アブソリュート エマルジョン マイクロラディアンス”(全3種、200mL、1万1000円)にフォーカスする。乳液は、角層をふっくらと弾ませながら、化粧水を引き込む力を高め、肌内部に潤いを留めながら、内部の艶を高める。金香木の他、月下美人やマグノリアの花々をブレンドした、心安らぐフレッシュフローラルの香りで、心の状態も整える。10月には、金香木エキスを配合したオードパルファンも発売する。そのほかの商品ラインアップは、化粧水の”アブソリュート ローション ハイドロインフェーズ”(全3種、200mL、1万1000円)、クリームの“アブソリュート バームクリーム エラスティック”(50g、3万3000円)、日中用クリーム・下地の“アブソリュート デイクリーム アウェイクニング プロテクト”(50g、1万9800円)、アイクリームの“アブソリュート アイクリーム タイトフォーカス”(15g、1万6500円)。
「コスメデコルテ」は2020年に誕生50周年を迎え、21年には30年間同じ処方だった“モイスチュア リポソーム”を新“リポソーム”美容液に刷新した。コロナ禍ではデジタルシフト、ECの開設やオンラインカウンセリングの強化に取り組み、現在は若年層が増加。コーセーは、ブランドの認知度も15%アップしたと分析している。広告塔として起用している大谷翔平効果は、これをさらに押し上げている可能性があり、百貨店における男性購入者は13倍に。新”モイスチュア リポソーム”は、国内累計ですでに150万本を突破した。海外売り上げは横ばいだが、グローバルでの売上高は今期1000億円を達成できる見通しだ。国内売上高は20年比で175%と成長している。
これを受け同社は、ブランドの認知度と信頼度は現在、大幅に向上したと分析。それらをさらに強固なものとすべく、最上位ラインの“AQ”を6年ぶりに刷新する。販売に際しては、既存顧客を丁寧なカウンセリングで“AQ”ラインに導く戦略をとっていたが、以降は新客に直接“AQ”をアプローチすることも検討する。このため、TVCMやオンライン広告、百貨店メディアなどを積極活用し、店頭では利便性とラグジュアリー、双方の価値を届ける。“AQ”単独のカウンター展開も検討中だ。