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ジェーン・バーキンが死去、享年76 「エルメス」の“バーキン”の由来

イギリスの俳優でシンガーのジェーン・バーキン(Jane Birkin)が7月16日に死去した。76歳だった。パリの自宅で亡くなっているところを介護者が発見したという。バーキンは以前から心臓病を患っていたほか、2021年に軽度の脳卒中で倒れて以来、療養生活を送っていた。

バーキンは1946年、ロンドン生まれ。60年代に映画「ナック(The Knack)」で俳優としてデビューした。端役だったが、同作で出会った作曲家のジョン・バリー(John Barry)と結婚し、長女のケイト・バリー(Kate Barry)を出産した。しかし、3年後に離婚して渡仏。フランス映画「スローガン(Slogan)」に出演し、主演のセルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)と公私ともにパートナーになった。2人がデュエットした曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(Je T’aime…Moi Non Plus)」は、その官能的な内容のため各国で放送禁止となるなどセンセーションを巻き起こし、バーキンはそのファッショナブルな雰囲気も相まって一気に世界的なスターに。なお、ゲンズブールとの間に生まれた次女、シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)も俳優や映画監督して活躍しており、2021年のカンヌ国際映画祭では自身が手掛けた映画「ジェーンとシャルロット」をプレミア上映。母子の関係を綴った。なお、バーキンは1980年に映画監督ジャック・ドワイヨン(Jacques Doillon)と出会い、三女のルー・ドワイヨン(Lou Doillon)をもうけた。ルーも俳優をはじめ、アートやファッションなど多方面で活動している。長女のケイトは、2013年に死去した。

バーキンは多数の映画に出演して幅広く活躍し、フランスの映画賞、セザール賞に3度ノミネートされたほか、07年にカンヌ国際映画祭でプレミア上映された映画「Boxed(日本未公開)」では監督を務めている。また、その甘い歌声でフレンチ・ポップスを世界にさらに広めた功績でも評価されているが、何より性を超越したスタイルアイコンとして知られた。「エルメス」の“バーキン”は1984年、バーキンがエルメス5代目会長のジャン=ルイ・デュマ(Jean-Louis Dumas)と飛行機で隣り合ったことから誕生したと言われている。デュマ元会長は、ジェーンがバスケットバッグに多くの荷物を詰め込んでいる様子を見て、「なんでも入るバッグを作ろう」と話し、“バーキン”は誕生した。バーキンは「エルメス」からは5つの“バーキン”を受け取ったと言われる。後年、それらを社会貢献のためにオークションに出品したり、「エルメス」と共に寄付したりした。2011年には東日本大震災を受け、「私の“バーキン”の1つを売却し、16万3000ドル(約2280万円)を日本の赤十字に寄付するわ。重たいバッグも人の役に立つのよ」と話したことがある。また、被災者支援のためのコンサートも行った。

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