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特集 2023-24年秋冬オートクチュール

独自の発想と価値観で見せる究極の美【特集:2023-24年秋冬オートクチュール】

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独自の発想と価値観で見せる究極の美【特集:2023-24年秋冬オートクチュール】

7月3〜6日に行われた2023-24年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークは、パリ郊外を中心とした暴動の影響を受け、いくつかのイベントが中止になったものの、大きな混乱はなく終了した。今季は公式スケジュールの32ブランド全てがリアルショーを開催。中国からの顧客も本格的に戻った活気あふれる会場に、カーディ・Bらセレブが華を添えた。デザイン面では、カジュアルウエアや日常着をクチュールへと昇華するアプローチが拡大。時代と共に変わる価値観やアイデアを生かし、究極の美を追い求めるデザイナーたちのクリエイションを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2023年7月17日号からの抜粋です)

ヴァレンティノ(VALENTINO)

夕日に映える城で見せた
夢のようなひととき

会場は、パリ近郊にあるシャンティイ城。かつてはエリート主義や地位の象徴だったが、今では “平等や自由をたたえる公共の場”として存在し得ることから、ピエールパオロ・ピッチョーリは城を今季の舞台に選んだ。目指したのは“複雑”と考えられがちなクチュールに純粋なシンプルさを見いだすこと。ドレーピングやカットで生み出す無駄をそぎ落としたシルエットが核になる。それは、布を巧みに操るアトリエがあってこそなせる技。そんなミニマルな構造は、花のモチーフなど存在感のある装飾も引き立てる。アノーニのエモーショナルな歌声が響く中、豊かな色彩のルックをまとったモデルたちが夕日に映える城を背に庭園のランウエイを歩き、夢のような時間を演出した。

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