「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、スタイルアイコンとしても知られたジェーン・バーキン(Jane Birkin)を偲ぶ。
ソーシャルエディター津田:今週はイギリスの俳優でシンガーのジェーン・バーキン(Jane Birkin)の訃報を受けて、SNS上でも追悼の言葉をたくさん見かけました。ジェーン・バーキンと言えば、「エルメス(HERMES)」を代表するバッグ“バーキン”が誕生したきっかけとなった人物として有名です。1984年、パリからロンドンへ向かう飛行機の中で、バーキンはトレードマークだったかごバッグを頭上の棚に収納。ところが中身は、通路にこぼれ落ちてしまいます。その時、偶然隣に乗り合わせていたのは「エルメス」5代目会長のジャン=ルイ・デュマ(Jean-Louis Dumas)。母親になったばかりのバーキンは「自分のニーズを満たすバッグがない」と吐露し、デュマ会長はその場でエチケット袋の裏にバッグをスケッチしたそうです。バッグには、哺乳瓶のスペースもありました。これが後に“バーキン(Birkin)”と呼ばれるバッグです。
SNS上では今回、バーキンがバラエティー番組「SMAP×SMAP」に出演した際に乱雑に思えるくらい“バーキン”を普段使いしている動画や、中から無造作に詰め込んだ大量の荷物が出てくる動画などが話題でした。今の“バーキン”はセレブの富の象徴のようですが、バーキンは収納力があるバッグを普段使いして使い倒して欲しかったんですね(笑)。
また、「エルメス」のミューズでありファッションアイコンでもある彼女は、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)がデザイナーを務めていたころ、2000年春夏コレクションのランウエイに登場したことがあります。マルジェラの代表作で、胸元に大きく切れ込みが入った深いVネック“ヴァルーズ”を纏った全身ホワイトのルックでした。
記者村上:ジェーン・バーキンはもちろんですが、「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(Je T’aime…Moi Non Plus)」をデュエットしたセルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)や、彼との間に生まれたシャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)まで、取り巻く人たちもスタイルのある人たちばかり。そりゃ世界中のSNSが、彼女に哀悼の意を表しますよね。シャルロットは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のほか「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などの広告塔でもあるし、「ナーズ(NARS)」とはコラボコレクションを作ったことがあります。最近だと「サンローラン(SAINT LAURENT)」のメンズコレクションに登場して、演奏なんてサプライズもありましたね。
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