「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」ウィメンズの2023-24年秋冬は、包み込むような優しさを感じる白やグレーを主役にしたコージーなスタイルを推す。コート商戦が後ろ倒しになっていることから、長い秋でも提案できる中間アウターが強化アイテムだ。
シーズンテーマは、「コージーサーキュレーション」。浅子智美ディレクターは、「イギリスの彫刻家バーバラ・ヘップワースの作品にヒントを得た。彼女の作品は丸みがあり女性らしく、さまざまな素材を掛け合わせながら描く曲線のイメージが今季のムードに合うと思った」と話す。
オリジナルのグレーのリバーコート(6万8200円)には、「バトナー(BATONER)」に別注したモヘアのタンクトップ(2万900円)とオリジナルのショートパンツ(1万9800円)、首元にはグレーの「エクストリーム カシミア(EXTREME CASHMERE)」のスカーフ(4万6200円)を合わせた。モノトーンのコーディネートには、「アヴァケーション(A VACATION)」のメタリックなベルト(2万2000円)でアクセントを加えた。「お客さまの間で長く着られるかどうかを考える人が増えている。そんなお客さまの審美眼にかなうよう、トレンドを押さえつつもクオリティコンシャスな商品を一段と意識した」。
強みのジャケットは、トレンドのラメ糸を使ったインナーや、フェミニンなビスチェなどと組み合わせて提案に変化を付ける。新規導入したカナダ発の「ボーフィー(BEAUFILLE)」の華やかなレースアイテムも注目だという。後半にかけては、ポンチョなどのウェスタンテイストも取り入れる。
冬のコートが本格的に売れだす12月までは、リバー素材のミドル丈のコートを推す。また、キルティングアウターを強化し、ニューヨーク拠点の「メリッタ バウマイスター(MELITTA BAUMEISTER)」を新規で買い付けた。「バブアー(BARBOUR)」や「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」「シックス バイ ワン コペンハーゲン(6×1 COPENHAGEN)」などとの別注企画も充実させた。
店頭では、シルエットのバランスがトップスにボリュームを持たせる逆三角形からボトムに重心がくる三角形に変化しているという。これまでは細見のパンツやボリュームのあるブラウスが売れ筋だったが、今季からワイドパンツのバリエーションを広げて提案する。
「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」は韓国ブランドを強化
「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS 以下、BY)」は今季、ブランドの強みに立ち返る。小沼悠子ディレクターは、「トレンドが見えづらくなっている中で、あらためて自分たちが発信すべきことを考えた。ブランドの強みを進化させ、未来につなげたい」と話す。
8月の立ち上がり時期には、今季らしさを加えたデニムの着こなしを提案する。一押しは、再生コットン100%のオーバーサイズのデニムシャツと、キレイめな印象のデニムスラックスの合わせ。足元は、スニーカーでカジュアルにまとめるのではなく、光沢感のあるパテントのパンプスでアメカジスタイルをアップデートした。
仕入れは、マーケットとして注目されている韓国ブランドを強化し、計5ブランドを新規導入した。日本初上陸となる「レバー(LEVER)」は、「ニットやデニムなどシンプルで幅広い人が着られるデザインと、女性らしさが出る部分が魅力だ」という。トレンドを押さえた形が強みのバックブランドの「エテ(ETE)」も新規導入した。