ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。 今週は、2023年上半期の化粧品・日用品市場を振り返る。
佐藤和佳子/三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニアアナリスト プロフィール
(さとう・わかこ)1992年に岡山大学大学院自然科学研究科修了、同年住友信託銀行に入社。94年から株式アナリスト業務、2006年入社のみずほ証券を経て19年5月から現職。日経ヴェリタスのアナリストランキングにおいてトイレタリー・化粧品セクターで17年から6年連続で1位を獲得
【賢者が選んだ注目ニュース】
2023年上半期の国内化粧品市場はおおむね回復基調にある。日本百貨店協会の統計によると、全国百貨店で高額商品が全般的に好調のようだ。前半は特に、大谷翔平選手のキャンペーンが目を引いた「コスメデコルテ」が新しい男性客を獲得するなど好調ぶりをみせ、同ブランドを擁するコーセーの23年1〜3月期の国内事業の売上高は前年同期比13%増で着地した。資生堂も、国内市場の回復を捉えた新商品の展開強化などにより主に高価格帯商品がけん引し、同3.8%増で推移した。ともに前年1〜3月にまん延防止等重点措置が出されていたことの反動もあるだろう。4月以降はマスク着用ルールの緩和も後押しし、全国百貨店の化粧品売り上げは2ケタ増収が続いている。
内需は回復傾向にあるが中国の消費力に懸念
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