松屋は21日、銀座本店の営業日・営業時間を変更すると発表した。新年の1月2日を休業日にし、正月の初売りを3日に後ろ倒しする。元日・2日の2日間を休業日にするのは24年ぶり。正月の休日増加によって従業員のワークライフバランスの改善を見込む。また、9月1日から営業時間を現在10時〜20時から11時〜20時に短縮する。売り場の従業員の密度を高め、サービス向上につなげる。
2000年以降、百貨店は休業日が少なくなり、営業時間が長期化した。だが近年の人手不足やデジタル化の進展で風向きが変わりつつある。コロナによる働き方や暮らし方の見直しが、それに拍車をかけた。大丸松坂屋百貨店も複数の店舗でコロナ前に比べて営業時間を短縮しており、松坂屋上野店では23年3月から衣料品などのフロアの閉店時刻を18時30分に前倒した。
正月の営業も1990年代までは元日・2日の2日間を休業日にする百貨店が多かった。それが近年は元日だけ休業日にして2日から初売りする習慣が定着している。三越伊勢丹は16年から元日・2日を休業にして初売りを3日にしていたが、20年から2日の初売りに戻している。一方、ショッピングセンターでは丸井が23年から元日〜3日の三が日を休業日にして話題になった。
百貨店にとって長らく正月の初売りが年間で最大の売上高を稼ぐ日だった。しかし近年はネット通販による先行セール、福袋人気の沈静化などもあって、初売りの重要性は相対的に下がっている。販売員の人手不足も深刻化しており、松屋と同じような動きは広がる可能性がある。