アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。右を見ても左を見ても、値上げ、値上げ、値上げ。アパレルに限らず、電気代から食品まで、ほぼ全ての分野で値上げラッシュが始まっている。特に7月以降のスニーカーの高騰ぶりは、過去に類を見ない衝撃的なレベルだ。今、スニーカーは適正価格で買う時代へと突入し、中古品(2次流通)が好調。今回は、それを受けてのメーカー(1次流通)への提言。変わりゆくスニーカーの世界で、君たちはどう生きるか。
本明秀文・アトモス創業者(以下、本明):最近、「ロレックスマラソン(人気モデルを求めて店舗を巡る行為)」をやっている転売ヤーと話す機会があったんだけど、これまでは例えば、“デイトナ”が1店舗に年間2本しか出なかった。定価170万〜180万円に対して、下取りが350万〜380万円だったから、年に1本でも手に入れば食っていける。ところが、最近数がやたらと増え始めて、下取り額が下がっている、と。スニーカーと一緒で生産量が増えているんだね。
――「ロレックス(ROLEX)」は2019年以降、年に1、2回のペースで値上げしていますね。それでもスポーツモデルはなかなか買えない。値上げしても需要が追いつかないので、さらに値上がりしそうです。でも、スニーカーの値上げはどうでしょうか?
本明:7月から“エア フォース 1(AIR FORCE 1)”の一番ベーシックな“白白”が1万5400円でしょ?2年前に1万1000円から1万2100円に値上げして、去年1万3200円にさらに値上がりした。それでも上がり過ぎだと思っていたのに、今回のさらなる値上げは、かなり高く感じるね。“エア ジョーダン 1(AIR JORDAN 1)”に関しては、1万7600円から2万6950円と、1万円近く値上がりしている。
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