「シャネル(CHANEL)」はこのほど、米ニューヨーク・ウィリアムズバーグに「フレグランス・アンド・ビューティ・ブティック(FRAGRANCE AND BEAUTY BOUTIQUES)」をオープンした。2019年ソーホーに出店した「アトリエ ボーテ シャネル(THE ATELIER BEAUTE CHANEL)」に次ぎ、ビューティに特化したストアは市内2店舗目となる。
同店舗がオープンしたのは、ブルックリン北西部に位置するウィリアムズバーグの北6丁目の通りで、敷地面積は約123平方メートル。メイクアップやスキンケア、フレグランスを中心にアイウエア、シーズンに合わせたレザーアイテムなどを取り扱う。同店舗ではオンライン注文の店頭受け取り、同日配達、バーチャルショッピングの予約にも対応する。また、個室のコンサルテーションスペースではスキンケアやメイクアップのレクチャーのほか、フレグランスのパーソナライズといったサービスも提供する。
「シャネル」は今年初め、ビューティ専門チェーンのアルタ ビューティ(ULTA BEAUTY)に進出。卸売りを拡大するとともに独立したブティックを増やす戦略を進めている。今回の出店について同ブランドのバーバラ・メナルゲス(Barbara Menarguez)=ビューティ事業部長は、「ここ数年のハイブリッド出勤(リモートと通勤)の波を受けて、人々が生活し、働き、遊ぶ場所に狙いを定め出店を集中してきた。ウィリアムズバーグは急速に発展を遂げ、新しい顧客や若年層との接点としてふさわしい場所だ。自社サイトのユーザーがよく訪れるエリアでの存在感を高め、ロイヤリティーを築きたい」と期待を寄せる。
米「WWD」によると、「シャネル」の22年12月期の売上高は前期比17%増(現地通貨ベースおよび既存店ベース)の172億2000万ドル(約2兆3763億円)だった。ビューティ事業も同様に好調で、すでにパンデミック前の売り上げを上回っているという。「フレグランスとビューティのブティックを訪れる客はほとんどが新客であり、他店舗に比べてZ世代が多い。これらの店舗では『シャネル』の究極のラグジュアリー体験を提供するようデザインしている。ブティックの顧客は有力百貨店の店舗と並び、高いロイヤリティーを誇る。彼らはビューティ製品からファッション、時計、ファインジュエリー製品へと購買を広げる。ビューティ専門のブティックの出店は、周辺の販売拠点にもプラスの影響を与える」とメナルゲス=ビューティ事業部長は話す。
「シャネル」は24年末までにニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミなどのトップ市場でフレグランス・アンド・ビューティ・ブティックの複数出店を計画しており、ウィリアムズバーグ店を皮切りに実店舗拡大を進めていくとみられる。