「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、“映え”スポットから、「結局今、一番使えるSNSってなんなの?」までを再考する。
ソーシャルエディター浅野:ソーシャルエディターとして日々、発表会や展示会、イベントなどを取材してインスタグラムやツイッター、ティックトックなど、それぞれに適したクリエイティブでアウトプットしています。これはティックトックの台頭からずっと言われていますが、どのSNSでも動画のプライオリティが上がり、アルゴリズムにも影響していると言われます。
私たちソーシャルエディターも、できるだけ動画を投稿するようにしています。アルゴリズムやトレンドに対応する意味もありますが、他媒体と差別化するためです。発表会やイベントなどに行くと、必ずと言っていいほどSNS投稿用のフォトスポットがセッティングされていますよね。もちろんそこで撮影すれば間違いなく綺麗な写真は撮れるのですが、投稿はみんな一緒になってしまいがちです。そこで「WWDJAPAN」はできるだけ、編集を加えたショート動画にして見え方を差別化しています。
とくにインスタグラムのリールは力を入れていて、会場のムードやコレクションのテーマなど“エモーショナル”な部分を伝えられるよう音源も厳選するなど、結構な手間をかけているリッチコンテンツです。もちろん「WWDJAPAN」だけでなく、他媒体もインフルエンサーも動画撮影は必須。でも、いまだに動画にするには厳しいイベントや発表会は結構あります。さらにコロナ禍を経てオンライン発表会という選択肢が増えたことで、“リアル発表会の意味”を今一度考え、現場でしか得られない情報(=映える空間や体験)を提供する場にする必要があると思います。村上さんも日々多くのイベントや発表会に行っていますが、「こうしたらいいのに」と思うことはありますか?
記者村上:上の記事は、もう5年前のものですが、「インフルエンサーは自分の世界観を表現するため、同じブースでもそれぞれ撮影方法を工夫して唯一無二の写真を投稿します。撮影可能なポイントを用意しつつルールでがんじがらめにしない、“制限された中での自由”を提供することで、自分のアカウントらしい世界観の写真づくりをサポートするんです」という言葉は、今も通用しますよね。ポイントは、特定のどこかだけを“映え”させるのではなく、会場全体を“映え”させることなのかな?と思っています。
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