日仏企業の支援と投資促進を目的とする政府機関であるフランス貿易投資庁-ビジネスフランス日本事務所はこのほど、フレンチコスメの展示会「フレンチ ビューティ エクスペリエンス(FRENCH BEAUTY EXPERIENCE)」を在日フランス大使館で開催した。同機関によると、フランス製化粧品は2022年の日本の化粧品輸入総額の23%を占め、スキンケアとメイク、香水カテゴリーでは国別のシェア1位を誇る。フランスでは環境問題やSDGsに対する意識が高く、オーガニック・ナチュラル志向のブランドが多く生まれているのも特徴だ。今回出展した全13ブランドを紹介する。
オーガニックのまつ毛美容液やUVケア
パリ発のオーガニックブランド「ホイヘンス(HUYGENS)」はオーガニックのスキンケアアイテムやフレグランスを展開する。今回は目玉商品としてまつ毛と眉毛に使用できる美容液“アイラッシュ&ブロウ コンディショナー”(3.5mL、3960円)を紹介した。通常、ブラシ状のアプリケーターを用いるまつげ美容液には防腐剤が必要となる。同商品は防腐効果をオーガニック成分で実現した。池袋と渋谷、横浜に3店舗を展開するオーガニックコスメのセレクトショップ「オーガニックマーケット」で8月から先行販売する予定だ。
一人一人に合わせてカスタマイズできるエシカルコスメブランドの「マディ・エ・モワ(MADY & MOI)」は、肌の状態や目的によって選べる12種類のフェイスクリームやボディーミルク、リップクリーム、フェイスセラムをそろえる。南仏・プロヴァンスで製造し、全てコスモスオーガニック認証を取得したビーガン商品だ。
起業家でサーファーのフランク・ヒワルスキー(Franck Bywalski)が創設したUVケアブランド「イーキュー(EQ)」は、海洋環境保護をブランド理念に掲げる。SPF50+の日焼け止め効果やエコサート認証の取得にもこだわりながら、ピンクやターコイズなどのカラーで楽しめるサンスティックを用意し、遊び心も忘れない。
そのほか、植物由来のオーガニック化粧品ブランド「ラボラトリー セガラ(LABORATOIRE DU HAUT SEGALA)」や、クレンジング・洗顔としても使用できる保湿クリームを販売する「ジュ フェ トウ~マカセーヌ~(JE FAIS TOUT)」、かわいらしいパッケージのメンズスキンケアの「ムッシュ・バルビエ(MONSIEUR BARBIER)」が並び、会場はコスメバイヤーやメディアで賑わった。
フランス生まれのせっけんブランド
「ラ・サヴォヌリー・ドゥ・ニヨンス(LA SAVONNERIE DE NYONS)」は世界最古のせっけん工房が発見された、南東部の町ニョンスで生まれたせっけんメーカーだ。地元のサプライヤーから原料調達し、伝統的な手法でオーガニックのせっけんを製造する。オーガニックのシアバターやアルガンオイル、オリーブオイルも販売する。ニョンス出身のアーティストが手掛けたメタル缶や包装紙のレトロな絵柄が目を引く。
「サヴォヌリ・デュ・ピロン・デュ・ロワ(LA SAVONNERIE DU PLION DU ROY)」はプロヴァンスの小さな村で創業した自然派せっけんとボディーケアのブランドだ。日本ではまだ認知度の低いロバのミルクを配合した“ハーブソープ”(100g、1650円)や“シャワーシャンプー”(250mL、2860円)をキーアイテムとして紹介した。
ドクターズコスメもオーガニックに
「Tルクレール(T.LECLERC)」は1881年にパリ・マドレーヌ広場の薬局で誕生した。140年の歴史があり、ブランドを代表する米粉を使用したルースパウダーのほかベースメイクやメイクアップを展開する。
アイケアブランド「クリスチャン・ブルトン(CHRISTIAN BRETON)」も日本再上陸を目指して参加した。「塗るボトックス」として知られるロールオンタイプの目元美容液“リフトックス”は2008年の発売以降累計1200万個を超える販売数を誇る。
そのほか、1840年創業のナチュラル・ドクターズコスメブランド「コタン(COTTAN)」や、敏感肌向け、エイジングケア向けなどのラインを持つ100%ナチュラル由来のドクターズコスメ「ノヴェクスペール(NOVEXPERT)」が出展した。
パチュリで伝統を築くフレグランス
地中海に面したジュアンレパンで創業した香水メゾン「ルミネサンス(REMINISCENCE)」は、日本未上陸のブランドだ。1970年創業の歴史があり、よりモダンな商品とパッケージへリブランディングを進めている。ブランドを代表するパチュリの香水はシダーウッドやサンダルウッド、ペチバーの精油を絶妙なバランスで配合し、パチュリの香水だけでも5種類ラインアップする。8月にはミモザの香りをフランスで発売する予定だ。