オーストラリア発のラグジュアリーボタニカルスキンケアブランド「イソップ(AESOP)」はこのほど、イタリア・ローマに2号店を出店した。
同店舗はローマの中心部にあるコルソ通りに位置し、「イソップ」の店舗を手掛けてきた建築家のヤコブ・シュプレンガー(Jakob Sprenger)がデザインを担当。ブランドを象徴するミニマルなデザイン美学を踏襲しつつ、古代ローマの伝統的な建築様式を随所に取り入れた。1階には18世紀に活躍したイタリア人画家のフェリーチェ・トレッリ(Felice Torelli)による長さ3mにも及ぶ絵画を設置。壁にはウォールナット木材や特有の縞模様があるローマの大理石、トラベルティーノ・ロマーノなどを用いた。2階にはフレグランスに特化したスペースを設け、店内の各所にハンドソープなどの商品を試せる洗面台を配置している。
今回の新店舗について、同ブランドのカール・ウェデレル(Karl Wederell)欧州ジェネラルマネージャーは「われわれのブランドのアイデンティティーを反映するだけでなく、イタリア独自の美意識や文化に敬意を払うことで、ほかにはない素晴らしい体験を顧客に提供したい」とコメント。また、「イタリアは当社にとって新しい市場だが、非常に重要だ。欧州で特に業績が際立つイギリス、フランス、ドイツに次いで、イタリアとスペインも確かな商業的な成果を出ており、今後ローマに加え、イタリアにおける1号店を2015年に出店したミラノにも2店舗目を計画している。地元住民だけでなく観光客も取り込み、グローバルな認知向上を期待したい」と説明する。
「イソップ」の昨年の売上高は5億3700万ドル(約741億円)で、実店舗の売り上げが約65%占める。ウェデレル欧州ジェネラルマネージャーは、「新たな地域への進出、新店舗のオープン、新たな販売チャネルの模索、アメニティーの強化、既存仕入れ業社との提携がブランドの成長戦略のカギを握る。既存ポートフォリオの生産性の最大化にも取り組んでいる。主要チャネルである実店舗の重要性は高く、引き続き店舗のイノベーション、デザイン、顧客体験向上に投資する」と述べ、1年以内にロンドン、パリ、ベルリン、ミュンヘン、マドリード、コペンハーゲンでの新店舗を計画しているという。
1987年にオーストラリア・メルボルンで創業した同ブランドは、現在北米、南米、欧州、オーストラリア、ニュージーランド、アジアに約400店舗を構える。スキンケアのほか、ヘアケアやボディーケア、フレグランス製品を展開。植物由来の成分を用いたビーガン処方を特徴としている。今年4月に仏ロレアル(L’OREAL)がブラジル最大の化粧品会社ナチュラ&コー(NATURA & CO.)から25億ドル(約3450億円)以上で買収。23年第3四半期から「ランコム(LANCOME)」「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」「キールズ(KIEHL’S SINCE 1851)」などを擁するロレアル リュクス事業本部に加わる。