藤原ヒロシが講義を行う「フラグメント ユニバーシティ(FRAGMENT UNIVERSITY)」が7月30日、東京大学伊藤学術研究所でオープンキャンパスを開催した。先着300人限定のオープンキャンパスでは、藤原が「フラグメント ユニバーシティ」の“助教授”を務める池田誠「ウオモ(UOMO)」編集長や、同誌における藤原の連載を担当する編集者の小澤匡行、博報堂ケトルの皆川壮一郎クリエイティブディレクターらとともに今秋開講する全8回の講義に向けての体験授業とカリキュラムの紹介を行なった。「フラグメント ユニバーシティ」は10月11日から半年間にわたり、藤原が教壇に立つ全8回の講義。これまでのメディアが明かしきることのできなかった、藤原本人も無自覚だったのかもしれない取り組みを、言語化・体系化すればマーケティング理論として成立するかもしれないと考え、藤原のこれまでの仕事を「非言語マーケティング」と捉えて講義する。
オープンキャンパスでは、「非言語マーケティング」の重要な要素の一つである「カルチャー」をテーマに藤原が模擬授業を行なった。一般的にマーケティングは合理的かつ実用的であるべきとされているが、藤原が重要視してきたのは対極の非合理で非実用な「カルチャー」。ラテン語の「耕す、育成する」を意味する「コレレ(colere)」が語源という「カルチャー」は、藤原にとって心を耕すものであり、それこそが斬新で革新的なプロダクトを生み出すきっかけとなったものだ。
藤原はこれまでマーケティング視点で物事を考えたことはなく、遊びや無駄を大事にする「カルチャー」の精神で、ただ好きなものや楽しいものを作り、それが人の目を惹きマーケティングとして機能してきた。皆川クリエイティブディレクターは本講座を通して藤原の半生と、可視化や言語化、体系化されることのなかった無意識の“マーケティング思考”が明らかになればと述べる。
申し込みの締め切りは9月15日。事務局が志望動機をもとに事前選考を行なったのち、9月27日に結果を発表する。
全8回の講義は書籍「藤原ヒロシの非言語マーケティング(仮題)」として、集英社が2024年秋頃に発刊する予定だ。受講カリキュラムは下記の通り。
■フラグメント ユニバーシティ(FRAGMENT UNIVERSITY)
第1回
2023年10月11日
19:00 ~ 20:30
「文化人類学 〜遊学史〜」
80年代のロンドンやニューヨークといった海外経験とカルチャーとの邂逅を振り返り、すべての根源にある「パンクとDJの精神」を解き明かす。
第2回
2023年10月25日
19:00 ~ 20:30
「社会学 ~メディア論~」
「メンズノンノ(MEN’S NON-NO)」の連載「藤原ヒロシのア・リトル・ノーレッジ」、2000年代のウェブマガジン「ハニカム(HONEYEE.COM)」といったメディアとの関わりから、アナログとデジタルの役割、情報発信などについて学ぶ。
第3回
2023年11月22日
19:00 ~ 20:30
「情報学 〜インプットとアウトプット〜」
友人関係や、人付き合いといった人間関係のマネジメント、そこから繋がるインスピレーションとアウトプットなど、アイデア発想術やタイムマネジメント術を学ぶ。
第4回
2023年12月20日
19:00 ~ 20:30
「経営学 〜コラボレーション理論〜」
「グッドイナフ(GOOD ENOUGH)」から「レディメイド(READY MADE)」「ヘッド・ポーター(HEAD PORTER)」「メディコム・トイ(MEDICOM TOY)」「フラグメントデザイン(FRAGMENT DESIGN)」までコラボレーションをマーケティング視点で分析する。
第5回
2024年1月17日
19:00 ~ 20:30
「建築工学 〜空間デザイン論〜」
「ザ・プール(the POOL)」「ザ・パーキング銀座(THE PARK・ING GINZA)」「ザ・コンビニ(THE CONVENI)」にみる実店舗の総合的なプロデュース事例から、空間デザインに関するコンセプトの作り方まで、ディレクション論を学ぶ。
第6回
2024年2月28日
19:00 ~ 20:30
「ケーススタディ スターバックス コーヒー ジャパン(STARBUCKS COFFEE JAPAN)」
第7回
2024年3月20日(水)
19:00 ~ 20:30
「ケーススタディ ナイキ(NIKE)」
第8回
2024年3月27日(水)
19:00-20:30
「フラグメント ユニバーシティ最終講義」