ビジネス
連載 エディターズレター:MARKET VIEW

“西武愛”にあふれた青春小説「成瀬は天下を取りにいく」【エディターズレター:MARKET VIEW】

有料会員限定記事
※この記事は2023年08月04日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

今春発売されて話題の「成瀬は天下を取りにいく」(宮島未奈著、新潮社)は、滋賀県大津市を舞台にした青春小説です。物語はコロナ禍の2020年の夏休み、中学2年生のヒロイン・成瀬あかりが幼馴染の島崎みゆきに、こう宣言する場面から始まります。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」

「西武」とは百貨店の西武大津店です。彼女は8月末に閉店を控える西武大津店に毎日通い、ローカル局の帯の情報番組の中継に連日映り込もうというのです。3年前の閉店時の様子はWWDJAPANでも報じています。この作品を読み、フィクションとノンフィクションがリンクする不思議な感覚になりました。

この小説ではさまざまな登場人物が交差したり、思いを馳せたりする重要な場所として西武大津店が登場します。書籍のカバーイラストは、西武ライオンズのユニホームを着たヒロイン。その背景には西武大津店の建物が大きく描かれています。

印象に残った場面があります。高校生になった成瀬は、夏休みに東京大学のオープンキャンパスのため上京します。見学を終えた成瀬は、原宿や下北沢ではなく、池袋に向かうのです。目的は西武池袋本店。

この続きを読むには…
残り956⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。