専門店チェーン、セレクトショップの2023年7月度売上高(既存店ベース)は、好天や昨年のコロナ第7波からの反動で、前年実績を超えたという声が中心だ。コスト上昇を受けて各社値上げをしていることも、売り上げを押し上げる要因となっている。
国内ユニクロは前年同月比8.7%増と、7カ月ぶりに前年割れしていた前月から回復した。ただし客数は同2.0%減、その分客単価は10.9%増。客数は4カ月連続の前年割れと懸案材料だが、「月初は気温が低い週もあり、客数割れは気候によるもの。値上げ商品も価格と価値が見合っていれば売り上げはいい」と広報担当者。好調アイテムはデオドラントメッシュの“エアリズム”インナーやUVカットメッシュパーカ、“エアリズム”コットンオーバーサイズTシャツ、トレンドアイテムではワイドシルエットのカーゴパンツやメッシュ編みのセーターやショートカーディガン、“ラウンドミニショルダーバッグ”など。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同2.1%増。同社は集計期間が6月21日〜7月20日のため、6月下旬〜7月初めの低気温の影響を受け、他社に比べるとやや控えめな伸びとなった。客数は同2.3%減、客単価は同4.3%増。「夏物アウター衣料と、肌着、寝具などの実用品が売り上げを伸ばした。水着や浴衣も好調だった」(発表資料から)。
良品計画の「無印良品」は同8.1%増と前月に続き前年実績超え。客数は同3.3%減、客単価は同11.9%増だった。衣服・雑貨カテゴリーに限れば、夏物が好調で売り上げは同13.3%増とさらに伸ばしている。大改革中の衣服・雑貨カテゴリーが前年実績を超えるのは3月以来4カ月ぶり。
アダストリアは同19.3%増。客数は前年伸び悩んでいたこともあり、同10.7%増と大きく伸ばした。客単価は同7.7%増。「値上げを実施したと共に、セール期間も過度な値引きを抑えており、客単価の改善が進んだ」(発表資料から)。夏向け機能素材を使った定番パンツが男女で好調といい、接触冷感などのサマーニットやブラウスも動いている。
ユナイテッドアローズは同15.2%増と、8カ月連続の前年実績超え。客数は同8.4%増、客単価は同6.8%増だった。「売り上げに占める比率の大きい東京地区の回復が顕著。実店舗の伸びが全体をけん引している」(発表資料から)。シャツ、カットソー、パンツ、ワンピースなど夏物衣料が全般的に好調、ビジネス衣料も動いた。