今季の着想源となったのは、1940年代のヨーロピアン・スタイル。いつもよりも少し大人びたカルヴェン・ウーマンを表現した。序盤は、バーガンディやサフラン、ピンクなど、1色でまとめたウールジャケットとミッドカーフもしくはミニ丈のスカートのセットアップや、ハイウエストのミニドレスが並ぶ。水平に走るショルダーラインや共布の太いベルトはクラシックなムードを醸し出すが、ジャケットやスカートにシルバーのファスナーを用いたり、弓形に開いたポケットの中からレオパードやラメを覗かせることで、モダンな印象を加えている。
中盤からは、そこにアーウィン・ブルーメンフェルドやフランシス・ピカビア、マン・レイなどからヒントを得たダダイズムの要素をプラス。手と花のシルエットモチーフを重ねたプリントを始め、人のシルエットの大きなワッペン、写真とモチーフのコラージュ、クリスタルやゴールド刺繍の矢など、シュールでどこか可愛らしい装飾をクラシックなスタイルにのせた。
また、今季はファーを用いたラグジュアリー感のあるアイテムも多く提案。ただ、ラビットファーをアストラカンのように仕立てたり、リアルとフェイクをミックスしたりして、コンテンポラリーなブランドらしくスタイルと価格のバランスをとっているようだ。