ファッション

「セリーヌ」2014-15年秋冬パリ ハイブリッドが生む心地よく洒脱なコート

 アンティーク調の木材を敷き詰めたランウェイ。周囲には大きな観葉植物。フィービー・ファイロのプライベートな居間に通されたような心地よい空間に、英国のジャズ・ファンクバンドCymandeの楽曲「DOVE」が流れる。さまざまなジャンルをミックスしたジャジーな曲は「セリーヌ(CELINE)」のスタイルそのものだ。そぎ落とされた中、いくつもの要素がハイブリッドされていること、そして、最新の素材使いからくる着心地の良さ。ファイロの優れたバランス感覚が抜群に洒落たムードを生みだしている。

 主役はスリムでメンズライクなコートだ。その中にさまざまな要素が入っている。30年代調のライン、大きなボタン使いや片耳だけのピアスに見るアシンメトリーなバランス、大きなラペルに見るクチュールライクな仕立ての良さ、床まで届くベルボトムのパンツに見る70年代のムード、パステルブルーのギンガムチェックから受ける"カワイイ"一面、そして大胆なスリットやアニマル柄から来るセクシーなイメージ。さらには、ドローストリングをアクセントにしたオーバーサイズのコートに見るスポーツのムードや、ニットの長い袖口を飾る大ぶりのアクセサリーや肩を飾る肩章風飾りボタンなども大切だ。

 シンプルに見えて実はたくさんの要素が入った饒舌な服は、ロゴはなくとも見れば「セリーヌ」とわかる。すべてはバランス感覚。現代の女性にとっての心地よさが凝縮されている。

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