ファッション

「ディオール」2014-15年秋冬パリ マスキュリンなスーツに着替えた”フラワー・ウーマン”

 ロダン美術館の庭に作った白い仮設テントの天井には数え切れないほどの照明が取り付けられ、ネオンサインのように緑、青、黄色と色を変えてゆく。前シーズン、「ディオール(DIOR)」が同じ場所に用意した演出は、色鮮やかな庭園の世界だった。自然から街へ、描く世界観は大きく変わった。「今シーズンは庭園での楽しみよりも街で感じるスピード感を表現したかった」とラフ・シモンズ。そして街といっても華やかで刹那なパーティナイトの女性ではなく、パワーとエネルギーにあふれたキャリア女性のイメージ。そのため、マスキュリンをベースに、ディテールでフェミニンな要素を加えたテーラード・スタイルを提案した。

 主役は、ピークドラペルやダブルブレスト、ホールボタンを用いたマスキュリンなテーラードのスーツ。先シーズン、スティレット・ヒールのシューズを飾ったスニーカーの紐は、今季はジャケットの背中や脇に配するレースアップとして取り入れた。レースを緩めればフォルムもゆるく、タイトに締めればコルセットのようにボディコンシャスなフォルムをつくる。

 ピンクや赤、黄色やブルーの鮮やかな色は「ディオール」の永遠のテーマである"フラワー・ウーマン"から。スーツの上に羽織るオーバーサイズのコートは5分丈の袖が花弁のように広がっている。スポーティなタンクトップドレスのレイヤードも新しい提案。はっきりとしたパステルカラーやヴィヴィドカラーが目に眩しいダブルフェイスカシミアのドレスは、大胆に入れたスリットをアールデコ調のジュエリーで留めている。

 実用性と華やかさを兼ねそろえたスーツの提案は、ラフ・シモンズによる「ディオール」の新しい顧客獲得につながりそうだ。

DIOR x コレクションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。