マリー=クレール・ダヴー
ケリング チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者 プロフィール
ジャン=ピエール・ラファラン元フランス首相の内閣のテクニカル・アドバイザーとしてキャリアをスタートさせた後、セルジュ・ルペルティエ元フランス環境・持続可能開発大臣の個人秘書に就任。2005年にはサノフィ・アベンティス・グループのサステナブル部門におけるディレクターに就任した。07年から12年まで、フランス環境・持続可能開発省などにおいて、当時の環境・持続可能開発・運輸住宅大臣、ナタリー・コシュースコ=モリゼのチーフスタッフを務めた。12年にケリングのチーフ・サステナビリティ・オフィサー兼国際機関渉外担当責任者に就任し、ケリングやグループのブランドのサステナビリティ戦略を担当。フランス国籍。パリ生命・食品・環境科学技術研究所(ENGREF)卒業。パリ・ドフィーヌ大学にて行政学の高等教育研究専門免状(DESS)を取得
ケリングのマリー=クレール・ダヴー チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者(以下、ダヴーCSO)がこのほど来日し、日本のメディアとラウンドテーブルを行った。同社のサステナビリティ戦略は、いわば製造・小売業のロールモデル。そのケリングが今何を重視しているのか、多岐にわたる取り組みの中からハイライトを切り取る。(この記事は「WWDJAPAN」2023年8月7&14日号からの抜粋です)
開口一番、ダヴーCSOは「ケリングにとってサステナビリティは、選択肢ではなく必要不可欠なもの。ラグジュアリーブランドであるということはトレンドセッターであり、手本を示しリーダーシップをとる責任がある」と断言した。「私が就任した2012年当初は、投資家などからの関心もまだ低かったが、ピノー(フランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長兼CEO)は当時からサステナビリティの重要性を説き、将来的に法規制が設けられるだろうと話していた。今まさにその通りになっている」。
ケリングは社内に“サステナビリティ・コミッティ”を設けている数少ない企業だ。ピノー会長兼CEOを筆頭に、ESGや気候変動の専門家など8人で構成し、議長は環境活動家であり同社取締役でもある女優のエマ・ワトソンが務める。ダヴーCSOはその委員会とも対話を重ね、自社のサステナビリティ基準「ケリングスタンダード」に基づき実践のためのロードマップを描いている。「最も重要なことは、気候変動と資源の枯渇の問題。ラグジュアリー製品の原材料は大部分が天然素材であり、ビジネスを存続するには原材料の量と品質が必要だからだ」。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。